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【会田誠さん参加】『げいさい』読書会に参加する奴(ネタバレ無し)

 こんにちは、nagasenaです。

スマホデータ通信量が月初め更新されるのに、月末最終日に数KBオーバーしてS〇ftbankの自動更新に引っ掛かり、余計に+1500円加算されて萎えている中で書いているので、どんな文章になるかわかりませんがぜひ読んでくれますと嬉しいです。


1.猫町オンライン

 ということで猫町倶楽部のオンライン読書会に参加。

前回参加したのが夏で、だいぶ期間があいてしまっていたものの、なんと、今回、現代芸術家の会田誠さんの小説『げいさい』で、しかもご本人がご一緒に参加してくださるとのことで即参加決定。

会田誠さんといえば、エログロの前衛芸術家というファンキーな問題児というイメージだったけれど、あるときタマタマ彼のエッセイ『カリコリせんとや生まれけむ』という本を読んでから、非常に内的に葛藤して屈折した人であることがわかった。

それは常に矛盾・矛盾・矛盾、作品の中にもあふれ出ているパラドックスにも見られる。

なんていったって、「生きづらい」という言葉にしてしまうとモノクロで詰まらない、ありふれた表現になってしまうから、きっと、会田さんは、それを芸術というカラーに満ちた的確な手段で表したのだと思う

ニューヨークのど真ん中で、「日本語のように英語を発音しろ!」とデモ(っぽい)作品をしたり、(おそらく)東京のサラリーマンが多く通勤している時間帯に、「サラリーマンは日本から出ていけー!」と一人デモマシーンでシュプレヒコールするという作品だったり・・・

もちろん、これは彼のパラドックスであって、文字通りの実現のためではないだろう。


2.『げいさい』読書会

会田さんによれば、『げいさい』の登場人物の特に、二朗・小早川・高村・関・馬場の五人がだいたい自分の内面の五分割だそう。

そう思うと、普段、会田さんはインタビューとかで、「酒とオナニーが趣味です」とか、「テキトーでいい加減な人間です」とか言っているわりには、相当な勉強家だし、相当な理論家であると思う。

もちろん、感性という部分も大いにあるだろうが、感性よりもむしろ理性の方に根があるという点で、彼が三島由紀夫を敬愛したというのは納得がいく。(今回の『げいさい』でも、最初のビールの描写、最後の裏山のシーンなどは三島作品に影響を受けているんじゃないかと思わせた)

「真面目に不真面目」という言葉がよく似合う人だ。

今回、猫町オンラインで本人と話す機会を得て(!)、話を聞いてみると、普通にシッカリしている人だった。(まあ、会の終盤あたりになってくると、疲れなのか酔い(?)なのか分からないが、言動が怪しくなってきてしまっていた。しばしば水分補給のため水筒で何か飲んでいたが、もしそれが日本酒だったりしたら面白いなあ)


3.おわりに

ちなみに、『げいさい』は、会田さんらしく、日本美術界の悪い(あるいはおおっぴらには自慢できない)部分=受験絵画を忌避せず自ら描きだすことによって、世間に問題を提出して、自分も理解したかったとのこと。

美術界の中でも、一般社会(=世間)の中でも居場所のなさを感じている(と思われる)会田さんの作品は胸をうつものがある。青臭い、わたしみたいなモラトリアム青年が読むには最高の作品だった。

実用書とかそういうことに、取り組もうとは思うけれども、やっぱりまだ拒否感や嘔吐感をどこか感じてしまう人にぴったりかもしれない。


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