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短編小説

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2022年9月の記事一覧

約束【短編小説】

約束【短編小説】

彼は、大切な人を目の前で失った。

横断歩道を渡る彼女に、ながら運転のトラックが突っ込んでいった。
助ける余裕はなかった。

しかし、あの時自分が思い切って声をかけていたら。
もしかすると
後悔しても仕切れない。

しかし、時を戻すことはできない。

彼女はどんなに頑張っても帰ってこない。

あれから3年が経った。

坂の上から綺麗な夕焼けが見える。
悲しみはまだ消えていない。
いや、消すことはで

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電車の中で【短編小説】

電車の中で【短編小説】

俺は、健斗。今は高校2年生だ。
電車に乗ってるとだいたいの人はスマホを触ったりするだろうが、俺はぼんやりと考え事をよくしている。

今日は、進学先どうしよっかなと考えてた。
俺は、1年の終わりに悩みに悩んだ末、理系を選択した。

理系を選んだのはいいが、そこからどうするか全く決まっていない。
俺は、どこの大学にすればいいのか分からない。

なにせなりたいものが全く思いつかないからだ。

できれば大

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秋の恋【短編小説】

秋の恋【短編小説】

俺は、彼女に二股かけられてたことが分かって、彼女と別れた。
信頼していたのにまさかだった。
人とはわからないものだ。

俺は、最近人間不信に陥っている。
どうせ、友達だって陰では俺のことを悪くしか言ってないだろう。

失恋くらいでこんなにも人間不信になるのはおかしいかもしれないが、メンタルの弱い俺にはかなり響いている。

バイトも今日はサボった。
アパートで何もする気にならずひたすら外の景色を眺め

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寒い【短編小説】

寒い【短編小説】

寒いな
今日も食にはありつけなかったな
最近は仕事を一生懸命やってもなかなか成果が出ないものだな
こう寒いとな
誰も外には出たがらないだろうからな

明日は、今日と逆のところを探してみるとしましょう
そうだなそれがいいな

ひー、寒い寒い
さぁ、早いとこ寝るとするか

それじゃおやすみ
あなたおやすみなさい

雪がふる極寒の夜、2人はいつものように木上で羽をくっつけ合って眠りについた