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校舎が建て替わった母校へ
振り返ると、まさに光陰矢の如し。
教員免許取得者は必ず通らなければならない道、教育実習。
3週間、母校の高校に教育実習に行ってきた。大学では、化学工学を専門にしていることもあり、指導教科は理科の化学。
私たちがいた頃とは違い校舎は新しく建て替えられ、私立高校かと思うくらい綺麗に様変わりしていた。3年間学生として通っていた高校に、実習生としてくることはとても嬉しく、が、それと同時にしどろもどろしていた。ついこの間まで、高校生だった私が、高校生に化学を教えることができるのか非常に不安であった。しかし、せっかくの機会なので、教師としての務めを全力で果たそうと意気込み、実習に挑んだ。
1周目
1週目は生徒たちとあまり話すことができなかった。
生徒たちも話したいと思ってくれているかはわからないが、少なくとも私は生徒とたくさん話したかったので、積極的に声をかけようとした。が、なかなか話せない。元々、奥手な私だが、ここまで話せないとは、、周りは生徒との距離を確実に、着実に詰めているだが、負けてられない。
他の実習生はクラスの生徒から、家庭科実習で作った料理をもらったり、また他の実習生は、実習生控室まで物理の分からない部分を聞きに来たり。嫉妬と憧れで歯痒く、校庭に向かって全力で叫びたくなった。
2週目以降で挽回しようと心の中で呟いていた。
授業を実際にするのは、翌週以降なので、教材研究ということで、化学の先生方の授業をこの週は見せていただいた。高校の授業は大学と違い、50分授業であり、短い。しかし、これは授業を受ける側の話であって、授業をやる側からしたら、長いものだ。先生方の授業は分かりやすく、自身の授業にどう落とし込めるかという観点で、見学させていただいた。
昼ごはんは、涙出るくらい懐かしい。購買部のパンいただいた。
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学食のうどんも懐かしい。
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先生方の授業を多く見学したつもりだったが、翌週の授業展開をいざ書こうとしても、文字にするのが難しいのだ。書けない。授業プリントを作成してから書いた方がいいと判断し、その日は研究授業の内容の見直しをした。さて、そうなこんなしてると、本日唯一の生徒と話すチャンス到来。掃除時間だ!
実習生S 「話すネタ考えてから掃除行った方がいいんじゃない?」
自分「たしかに!!!!!!どんなネタがあるけ?!」
実習生S「元気?テストできた?好きな食べ物は?好きな歌手は?修学旅行どこいくの?週末何するの?勉強できる?とかかな」
自分「神!(それや)」
この10分間を無駄にはしない!
そう心に決め、手のひらに話すネタを携え、掃除場所の教室に向かう!
さあ、勝負。
机を引きながら、
自分「テストできた?」
生徒「まあまあでした」
自分「まあまあか…!」
その後話を派生出来ず、次。
机を引いていて、目の前でくしゃみをした生徒に対して、
自分「最近、寒いね」
生徒「そうなんですよね〜〜」
会話ってかなり難しい。。
生徒と距離を縮められず、授業のイメージが湧かないまま、1週目終了。
2週目
2週目は授業が始まった。私が授業する内容は化学基礎の「酸化還元反応」。
化学は高校時代から好きで、得意な方だったが、教えるとなったら別の話だ。重要箇所を整理したり、授業展開を入念に計画立てたりと、やってみて先生方の偉大さを感じた。中でも時間がかかったのが、プリント作成だ。50分という限られた時間で、生徒に分かりやすく説明をする必要がある。
夜な夜な作成し、2週目は常に頭がぼーっとしてた気がする。
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祝日は実習生同士で授業練習。
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そして、いざ授業。大学の研究室での発表に慣れているからか、教壇では心臓が激しく鼓動せずに済んだ。授業では、身のまわりの現象と関連させ、化学を身近に感じてもらうことを意識した。ペアワークを豊富に取り入れ、生徒が主体的に考えるようにした。当てて、答えさせたりして、理解度もチェックしながら進めた。こうして初授業を終えた。反省点、改善点は多く見つかった。多くの先生方が観に来られる評価授業まであと三回授業がある。理科の先生方や、高校時代にお世話になった先生方に、成長したと感じてもらえるように評価授業まで全力で準備しよう。
3週目
最期の週になると、生徒と距離も縮まり、話す機会も増えた。廊下を歩いていると、話しかけてくれる生徒や、手を振ってくれる生徒もいる。嬉しい。たわいもない話や、ふざけたりすることが楽しかった。高校時代に戻りたくなった。日々題とか模試とかキツそうだけど。
昼は高校、夜は大学の中間発表の繰り返しの生活もあと少し。3周目は評価授業に、競歩大会と目白押しだ。
教育実習といえば山場である、指導案がある。評価授業の指導案を作成しなければならない。授業展開をより丁寧に鮮明に書いた。
そして、評価授業。今までの四回の授業や、指導教員とのフィードバックを踏まえて、自分が出せる最大の力を出そうと奮起した。そして、最期の授業を終えることができた。
授業後は、先生方にお礼。また、アドバイスやフィードバックを頂いた。理科の先生方から、厳し目のお言葉やお褒めのお言葉等 様々な意見を頂いたが、嬉しかったのが、”実習生らしからぬスマートな授業だった”という感想だ。
嬉しかった。また、高校時代お世話になった先生の元にいったら、こんなに成長するとは思わなかった。とおっしゃっていた。高校時代の自分は酷かったから、そう思われるのも自然である。
そして、授業後には生徒たちにも振り返りシートという形で、授業の振り返りをしてもらった。授業が丁寧すぎて眠たかった、つまずくところばかりだったなどの率直な意見があって反省したが、それ以上に、分かりやすかった、図の説明がよかったなどの意見もあり、嬉しかった。特に嬉しかったのが”化学が好きで楽しかった。もっと教えてもらいたかった。”という意見だ。
化学を専門とし、化学が好きな私からすれば、化学が楽しいと思ってもらえることが嬉しくてしょうがなかった。生徒が楽しい、勉強したいと思ってくれることが、こんなに嬉しくて掛け替えないことなんだと、実習を通して学ぶことができた。
最期のHRでは、生徒や先生方とこれで会えなくなるのかと思ったら、本当に寂しくなった。やっと仲良くなり、もっと話したかった。だが、前に進むしかない。私が将来、有名になったら、どこかで会えるかもしれない。その時まで、これから成長し続けよう、そう心に決めた。
※翌日は競歩大会に参加し、30km走りました(白目)
最後に
コロナの影響により6月から延期になっていた教育実習。実施されるのか不安もあったが、高校の先生方、大学の学生係の方のご尽力により実施され、無事3週間を終えることができた。
大学の研究や発表と並行で進め、多忙な実習生活ではあったが、自分の殻を破り、一皮剥けることができた実りある実習生活であった思う。
この教育実習に関わった大学の職員、高校の先生方、生徒、両親、実習生
また、3週間未熟な僕に付き添って支えてくれた指導教員には感謝しかない。
全ての人に感謝して、次会った時に成長した姿を見せれるよう日々成長すべく目標に向かって頑張ろう。ありがとうございました。