
「カネッスエ!」〜お気に入りのスーパーの思い出
近所にお気に入りのスーパーがあります。
品揃えは豊富で新鮮、なのにとってもリーズナブル。
そこで初めて買い物をしたときは、あまりの安さに衝撃が走りました。
かつて車を持っていなかった私はムスコをベビーカーに乗せて、どうしても徒歩で行ける近場の大手のスーパーへ行くしかありませんでした。
そのうちムスコが自転車のチャイルドシートに乗れるようになって、ちょっと遠くへ行けるようにな離、新しくできたという噂のそのスーパーへようやく行ってみたのです。
そして、初めてのお会計のとき。
なんと!
カゴいっぱい買ったはずなのに!
「え、間違ってません?」
って聞きたくなるほどお安い!
大手スーパーで買うときより千円単位で安くて、ほんとに衝撃でした。
そして、それまでそのスーパーに行けなかったことが悔やまれてなりませんでした。
前から来ていればもっと節約できたのに….。
そのときからそのスーパーは、私の大のお気に入りになっちゃったのでした。
今はないけれど、かつては子供が乗れる自動車型のカートがあって、子供たちから引っ張りだこ。
混んでいる時間帯に行くとなかなかゲットできないほど。
わが子もずいぶんお世話になりました。
徐々にムスコの図体もでかくなってその自動車カートには乗れなくなり、かわりに私が車を使うようになって、自転車の後ろのシートから助手席に乗るようになり。
そんなある日、ムスコを連れてそのスーパーへ行ったときのこと。
到着して、ムスコが驚いたように言ったのです。
「カネスエなんだ!」
ん?
ずっと前からこのスーパーはカネスエだよ?
この子は何を言ってるのかな?
いつもカネスエ行くよーって言ってるのに。
って不思議に思ってたら、
「カネッスエかと思ってた!でも、カネスエなんだね!」
って。

そう、ムスコはようやくそのころ片仮名が読めるようになっていたのです。
で、建物の看板が読めるようになって、初めてそのスーパーの正しい名前を知ったのでした。
そのときのムスコの驚きの声と誇らしげな表情。
今でも鮮明に思い出します。
スーパーカネスエはそれから店舗がどんどん増え、歩いて行けるところにもできました。
残念ながらムスコは今はもう、買い物に一緒に行ってくれることは無くなっちゃいました。
でもそのころのことを思い出すと、大変だと思ってた子育ても、意外と楽しいものだったなあって思わせてくれます。
なんか、色々な意味でカネスエさんには感謝、感謝です。
ここだけではなく、みんなの日常を支えるスーパーには、多くの人のこんな思い出が詰まっているのかもしれないな。
いつか私がヨボヨボになったとき、またムスコと行けるときが来るかしら。
そのときをちょっぴり楽しみにしていようと思います。