恋の残り香vol.2 : 私はきっと彼の前にいるときが一番可愛かった
どうやったら戻れるかなんて
そんな馬鹿なこともう考えてないの。
遅かれ早かれ
私達は上手くいかなかったし、
私も彼もきっと
お互いが思うほどいい人ではないし、
でも、
彼はいつから
嘘をついてくれてたんだろうって
考える度に、
優しかったんだなって悔しくなる
私はどこで間違えたんだろうって
考える度に、
それがなければ
まだ付き合えてたのかなって
彼ならこういうとき
なんて言ってくれたかな
彼のことなら
もっと知りたいと思えたかな
彼の前の私なら
もっと可愛くいれてたかな
彼の些細な意地悪が恋しくて
人の話を
しっかり目を見て聞くところが好きで
彼が教えてくれる日々が
もう知ってる日々じゃないのが
少し悔しくて
なにを間違えたんだろう
いつなら引き返せたんだろう
どこが決め手だったんだろう
彼が本当に求めていたものはなにで、
私が本当に求めていたものは
なんだったんだろう
いつだって待ってくれていると信じてた
なにがあっても愛してくれると思ってた
待っていたら
必ず追いかけてくれると思いたかった