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何度だって、毎晩だって。貴方を想って眠りにつくよ。

 忘れられない、出逢いがあった。こんな書き出しがありきたりだなんていうのは分かっているけれど。私には推しがいる、なんて書き出しも。他の案も何もかも、なんだか彼には似合わない気がした。何回も書いて何回も消してそうやって書いたこの文章も、忘れたくないと思えるから。  その頃の私は、今でもあんまり変わっていない。出逢ったころ、私は凄く苦しかったけれど、なんだかんだ苦しいままもう2年ぐらい過ぎようとしている。  私達には確かめようもない話だし、2年間ずっと見てきて、気軽に触れてい

    • 一緒に見れば朝日だって怖くない

       いつの間にか、当たり前のように過ぎていくだけの日々。変わったことなんて特になくて。同じ時間に同じコンビニで同じ昼ご飯を買うだけの日々。  不満なんてない。でもそれが、満足しているという意味になるわけでもないという事実はあんまり気付かなくてもよかったな、なんて考える。悩んでいることがあるわけでもない。普通の日常に、普通に不満がないというただそれだけのこと。    そんな日々にいきなり救世主が現れたなら、どうしようか。  週に2回も共に夜を明かす男女5人の友達ができたら

      • 恋の残り香vol.7 : 泣きそうな夜は未だに貴方に会いたくなる

        泣きそうな夜 貴方に会いたくなって 目が醒める 貴方の目の前でなら 泣きたいと思えた 貴方なら きっと力を込めて抱きしめてくれると 信じていられた 誰よりも信頼していたから だから貴方がいなくなった世界での 泣き方がもう 分からないんだ 貴方だけは 絶対に私の味方だって 貴方だけは 絶対に受け止めてくれるって 未だに信じてしまうのは どうしたらいいのだろう 貴方の前でなら 泣いてもいいと思えた 今だって 私は貴方の前で泣きたいんだ 頑張ったねって抱きしめて

        • 恋の残り香vol.6 : 片付けられたんだなってそんなこと気付きたくなかった

          最後の日 貴方の部屋は 片付いていて あぁそっか 今なら分かるよ 私も 片付けられちゃったんだね やっと色々落ち着いた その言葉に よかったねって 返したの これから貴方と 忙しくない日々が 始まるんだって思ってた 貴方にとって 忙しかったのは 私だったのかもしれないね 私は貴方にとって まとめたゴミの一つに 過ぎなかったのかもしれないね 貴方のこと もうカッコいいとは 思えないんだけど たまにでいいから 私のことは 可愛いと思っていてほしいんだ なんで こん

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        何度だって、毎晩だって。貴方を想って眠りにつくよ。

          恋の残り香vol.5 : 嘘でもいいから嫌いにさせてほしかった

          嫌いになってよって 困った声の貴方に 浮気とか喧嘩じゃないと 納得できないよって 泣きついたんだ 言いたかったのはね お互い好きになって付き合ったんならさ お互い嫌いになってから別れないと 卑怯だってこと 嘘でもよかった 嘘をついてでも 嫌いにさせてほしかったの こんなやつと付き合ってられないわ と思わせてくれたら お互い嫌いになって別れられたのに 幸せになってね 俺よりもっといい人がいるから 俺にはお前を幸せにする資格がないんだ そんなこと知らないの 私は貴方に

          恋の残り香vol.5 : 嘘でもいいから嫌いにさせてほしかった

          恋の残り香vol.4 : ベーコン入りのシチュー

          あなたが作ってくれるシチューには ベーコンが入ってて 好きじゃないなんて言えなかったの 初めての日にはシチューを作ってくれて 最後の日もシチューだったのかな 最後の日だったからシチューだったのかな 私もう食べてきちゃったって言っちゃったっけ ちょっとだけちょうだいって言ったんだ このぐらいでいいよって言ったんだ ちょっとのシチューをちまちま食べて 最後には冷めたシチューをすすったっけ あのときあなたは どんな気持ちで野菜を切ったんだろう 最後のご飯だと思って あなたはシ

          恋の残り香vol.4 : ベーコン入りのシチュー

          恋の残り香vol.3 : 「愛おしい」なんて言われたら忘れられなくなってしまう

          嘘じゃなかったって思える 最後の記憶はどれなんだろう なくなっていくことにすら 流れていくことにすら 変わっていってしまうことにすら 気付けなかった私だから 嘘じゃなかったかどうかすら 曖昧になってしまう 一つだけ きっと本当だったと信じられるものがあって 貴方が「愛おしい」と言った あの日の体温だけ ずっと信じられるの もしかしたらあれが 貴方が覚悟した日だったのかもしれない あれはきっと今までで一番 ロマンチックな夜だった 何日なのかも いつなのかも もう思い

          恋の残り香vol.3 : 「愛おしい」なんて言われたら忘れられなくなってしまう

          恋の残り香vol.2 : 私はきっと彼の前にいるときが一番可愛かった

          どうやったら戻れるかなんて そんな馬鹿なこともう考えてないの。 遅かれ早かれ 私達は上手くいかなかったし、 私も彼もきっと お互いが思うほどいい人ではないし、 でも、 彼はいつから 嘘をついてくれてたんだろうって 考える度に、 優しかったんだなって悔しくなる 私はどこで間違えたんだろうって 考える度に、 それがなければ まだ付き合えてたのかなって 彼ならこういうとき なんて言ってくれたかな 彼のことなら もっと知りたいと思えたかな 彼の前の私なら もっと可愛くいれてた

          恋の残り香vol.2 : 私はきっと彼の前にいるときが一番可愛かった

          恋の残り香vol.1 : 寂しいのは寒いせいにして

          さむいとさ、さみしくなるね 雪すら降らない キンと冷えた夜に 吐いた息の白さを見ていた 冬はさ、星がよく見えるね 歩いた夜道 深夜のコンビニ 今となってはさ、もう分からないんだよ 何が嘘だったかなんて、 もう考えないようにするよ 貴方が優しかったことなんて、 もう知らなかったことにするよ さむいからさ、さみしいみたいだよ 泣きそうになってしまうのも 些細なことで連絡してしまうのも きっと寒いからだねって ずっとがあると思っていたんだ 昨日も今日も幸せなら きっと明日も

          恋の残り香vol.1 : 寂しいのは寒いせいにして

          眠れない夜はアイスを買いに行こう。目が覚めた朝は二人で勉強をしていよう。

           一カ月前には当たり前ではなかったことが、いつの間にか当たり前になっている。いや、一カ月前にはもう当たり前になっていたのか。そうやって時間の過ぎ方に愕然としたりする。  当たり前のような流れで突然彼氏ができて、当たり前のように一カ月以上お互いの家を行き来して過ごしている。    生活というものはいつも気付いた頃に変わっているものだ。物凄く悲しいことがあっても私たちは生活していくし、何事も起こらなくても生活は進んでいく。そして、ふと振り返ったときに寂しくなってしまったり幸

          眠れない夜はアイスを買いに行こう。目が覚めた朝は二人で勉強をしていよう。

          スイカを食べたことがない彼。キスしたことがなかった私。

           今、私は無性に泣きたくなっている。  涙腺は乾ききっていて、涙なんて出るわけはないのだけれど。ただ、泣きたい気分だ。悲しいことがあったというより、自分では抱えきれなくて。  どうしても言語化できなくて、もどかしくてnoteを開いたのに。何を書こうとしても物凄く安直なような気がして。私は今、途方に暮れている。今日ぐらいは気にせずに書き殴ってもいいだろうか。誰のために書いている文章でもないのに、私は今誰かからの許しを請うてしまっている。    彼氏ができた。    

          スイカを食べたことがない彼。キスしたことがなかった私。

          なんにもない真ん中で二人

           私と貴女の平均値を取ったら何だろうと、考えたことが何度かあります。    気が合うとか、一緒にいて楽しいとか、そういう安易な言葉で纏めてしまうことを、貴女はどう思うでしょうか。普通に喜んでくれるような気もするし、そうでもないような気もします。  貴女がただいい人だから、私が都合よく頼ってしまっているだけかもしれない、そう悶々としてしまう日があって。同時に、貴女が私に対して後ろめたさを感じることがあったらどんな内容であっても物凄く嫌だなぁ、とも思います。自分が感じている

          なんにもない真ん中で二人

          ”今日はとてもいい日だった”そう言えるなら。

           大学生になって、恋愛って難しいなぁとことあるごとに思う。好きな人はいないのに、私のことを大切にしてくれる人は欲しくて。なんて傲慢なんだろうと呆れてしまう。私の物語全てを差し置いて全部誰かにどうにかしてほしいなんて、甘ったれた考えに身を委ねてしまいそうになる。  焦ってばかりみたいで、自分が恥ずかしくなったりする。  なんかもっと大切なことが絶対にあるはずなのに。そう思う度に疲れてしまう。高校生のときの自分のことを思い返す回数が、最近増えた。    付き合っていない男

          ”今日はとてもいい日だった”そう言えるなら。

          家に行くのは、付き合うということではないと知った夜。

           付き合っていない、男の家に行った。  付き合っていない、男が作った夜ご飯を食べた。  付き合っていない、男と。  付き合っていない、男と。付き合っていない恋人同士をテーマにした映画をアマプラで見た。  付き合っていない、男とは。ごく当然だけれど、何もなかった。    私は大学生になった。  知らなかったことを知っていく。23:45の道の人通りとか。23:45に橋を渡っていく一台のタクシーの行方とか。23:47の空の暗さとか。貴方からの返信の甘さとか。  何も

          家に行くのは、付き合うということではないと知った夜。

          ささやかな蝋燭を一本。祈りながら吹く。

           松村北斗。  つい数か月前まで一ミリも知らなかった名前。  一度見つけてしまったら、目を逸らすことなんか出来っこなかった。  何故この人がアイドルを選び続けて生きているのか。何故こんなにも長く芸能界という世界で生きてきて、芸能界になんか身を置いていませんからみたいな表情が作れるのか。普通の感性を持ち続けていれるのか。何故そんなに藻搔きながらも「演技」という仕事にこだわり続けるのか。  私には何も分からない。  あまりにも当たり前のような顔をして、貴方はまるで普通に

          ささやかな蝋燭を一本。祈りながら吹く。

          もっと早く知りたかったから、伝える人になりたい。

           「人生変えるかも」。そんな言葉が虚しく聞こえる日々が淡々と進んでいく。  私がそわそわと期待することは、いざ近づいてみるといつだって空っぽだ。最後まで頑張り切れないへなへなな人間なのかもしれない、私が。あとひと踏ん張りなのだろうか。もう私は踏ん張るどころか立ててすらいないけれど。こんなままじゃ、という焦りが空っぽな私にほんの少しだけ響く。  この一カ月ダラダラと携帯を見てばかりで、少し目が悪くなった気がする。    なにも大したことのない人生を送ってきたつもりだ。他

          もっと早く知りたかったから、伝える人になりたい。