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【随想】あれこれ考えつつも、まず書いてみようかな、と

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いのちなる 旅するなれば ひとの道 消ゆる知りても こころとは あとに残らむ ことだまの おさなきものの すなほなる 泣きていふやう ことのは響かむ
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【随想】人を評価するとは/人事考課

 学生には試験があるが、社会人には試験がないから楽とか言っているあんぽんたんの学生がいるようです。  学生は一年に前期後期の二回、中学、高校生では一学期二回、二学期二回、三学期一回の定期試験があるだけですよね。社会人は毎日が試験なのですよ。しかも、試験問題は周囲の人から準備の余裕なく出題されるのです。  会社勤めに話を限れば、評価された結果は賞与、昇給、昇格に直結です。昇格試験に受かれば管理職に進めるというものではありません。外資となれば、年俸制ですから、試験の成績が悪い(評

【科学】始まりの元素/水素エネルギー社会へ

 文明が自然との均衡を保つべきところ、自然の自浄作用を超えて文明側に偏り過ぎたために地球温暖化、極小の樹脂(プラスティック)による海洋汚染などの環境問題が生じています。  その均衡を保つために、森林、海洋保護、生態系の回復、樹脂材の回収資源化、代替エネルギーなどの研究が進められています。50年前から始められている水素エネルギーの開発もその一つです。それについて少しだけ(といっても5000字以上になりましたが)掘り起こしておきたいと思います。 §1 求められるものは環境に負担

【随想】猛暑なり 嘆くのみにぞ 進歩なき /水素エネルギー社会へ

  命に危険のある猛暑が続く。夏の平均気温は年々高くなり、今年も平年比で1.76℃高く、1898年統計開始以降最高に<気象庁>。原因は地球規模の温暖化に因る気候変動とされる。   毎年7月になると、アントニオ グテーレス国連事務総長がその危機感を世界の指導者に訴えている。今年も、「分断された世界を結び付けるものが一つあるとすれば、われわれ全員がますます暑さを感じているということだ。地球は一層暑くなり、あらゆる場所が危険になっている」と。<2024.07.26 NHKニュース>

【随想】共生?多様性?/辞書の意味するところ

 社会のあり方として、以前は「共生」という言葉が使われていた。最近では「多様性」という言葉が使われる。たぶん同じ意味で。  しかし、どういう社会を目指すのかが議論されないため、意味が曖昧で無責任な言葉になっている。  辞書に言う、文字通りの意味は、(1)集団の中に異なる特徴、特性のあるものが一緒に存在する状態のことを「多様性」と呼び、(2)損得する関係がある場合、損得は入れ換わることも目に見えないこともあるので、損得を考えず、複数の種類の生物が相互に関係を持ちつつ同じ地域で生

【歴史】想像を超える箸/あまりに簡素であまりに便利 <後編>

日本の箸の歴史  さて、中国の箸がどのようにして日本へ渡ったのでしょうか、実は、これも明確なことは分かっていません。  まず、古代日本の遺跡から出土品を探ります。  縄文時代以前の旧石器時代(紀元前2万9000~1万4000年)の幾つもの遺跡から、イノシシ、シカ、ノウサギなどの肉類、マツ、ハシバミの実、コケモモ、ヤマノイモなど出土、また、藤久保東(ふじくぼひがし)遺跡(埼玉県三芳町)から焼かれた石が出土 <三芳町『広報みよし』1991年6月号>、これは土器がなくても調理で

【歴史】想像を超える箸/あまりに簡素であまりに便利 <前編>

※いろいろ資料を集めましたら、あれもこれも使いたくなりまして、全文が20000字を超えてしまいました。思い切って削除しても13000字となりました。前後二編(「中国の箸の歴史」と「日本の箸の歴史」)に分けて掲載することにいたします。 はじめに  訳の分からぬ外国人観光客が多数遣って参ります時代になりました。  もうかなり前のことになりますけれども、平成26年(西歴2014年)、和食が UNESCO(国際連合教育科学文化機関)の無形文化遺産に登録されたかとで一時話題となりま

【随想】戦争は国民がする/NHKスペシャル<戦争特集>を観て思うこと

 NHKは、毎年この時期になると大東亜戦争を題材にしたドラマ、ドキュメンタリーを放送いたしますね。  発掘された資料、生き残った人物への取材、必要な数値データを抽出しての解析、それを基に作られた番組は、残念ながら民間の放送局では作れないものでございましょう。    アーカイブにて戦争に関する5編の「NHKスペシャル」を観ました。  全編を一言で感想を申し上げれば、大東亜戦争とは、冷静な分析がないがしろにされ一部の指導者の実に曖昧な意思決定で戦争が始められ、何度失敗があってもそ

【随想】隠された広島と長崎/NHK『消えた原爆ニュース』を観て思うこと

  広島と長崎に原子爆弾が投下され、その悲惨な現実が日本国内だけでなく世界各国に隠されていたことに触れた番組をアーカイブで観る機会がございました。(令和5年(2023年)08月09日(水)NHK『歴史探偵』「消えた原爆ニュース 報じられなかった広島 長崎」)  毎年この時期になると、NHKがNHKでなければ作れないであろう番組を放送しております。必ずしも主題、構成がしっかり出来ていると言えるものばかりではございませぬが、制作関係者の訴えようとする誠実なる趣旨は十分伝わってまい

【随想】『失敗の本質 日本軍の組織論的研究』/一冊の本を読んで思うこと

 最近、「戦争反対」を叫ぶことの重要性を否定する訳ではございませぬが、少々虚無的、懐疑的になっております己(おのれ)を感じること多く、それよりほかに方法がないものか、戦争がいかにバカげているかを研究して、為政者こそが戦争に虚無的、懐疑的になる風潮を作り上げる具体的な施策を考えるほうが必要ではないのかな、と思うところがございます。  ということは、民主主義の社会であれば、為政者を選ぶ立場にある有権者にこそ、戦争に抱く肯定論を否定するように仕向ける努力が必要ということになりましょ

【絵本】『もうじきたべられるぼく』を手にして

 「もうじきたべられるぼく」・・・  はじめてこのしょうげきのあるだいめいを目にしたのは、もうかなりまえ、しんぶんの下のほうにある本のこうこくのところでございました。  ちょっとした本のとりよせをたのんで、本やまでうけとりにいって、子どもむけの本のまえをとおったときに、ふとしたことで、どこかで見たことあるような本のだいめいに目がとまりました。  「もうじきたべられるぼく」・・・  たったひとことのだいめいが、ここまでしらないうちにあたまにこびりついたことなど、いままでござい

【随想】滅びゆくものに「美」はあるのか

 人は、緑深い山、緑明るい山を見て美しいと思う。澄んだ青い空を見ても紺碧の海を見ても美しいと思う。そうかと思えば、漆黒の宇宙に散らばる星を見上げても美しいと思う。  自然、動物、植物を問わず、生命の有無にかかわらず、人の手による建物、彫刻、絵画、音楽に至るまで美しいと思う。    美しいとは肯定的な意味(良いこと、心を豊かにすること)であるという認識でいたが、少し退廃的な意味を思わせる観点の異なったことを問われて考え始めたことがある。    「美が滅ぶとき、美しいと強く感じる

【歌詞】『さくら貝の歌』/あいまいな言葉

 『さくら貝の歌』の調べは、優しきに好みの曲なり。  されど、男の恋心、女の恋心につき語り合ひしとき思ひたるは、末(すゑ)の行に「果てぬ」とあるは腑に落ちぬものなりと。  死して後も慕はるるは嬉しきことなれど、「果つ」に完了の助動詞「ぬ」が付きて、現世に儚く「消え去ってしまった、終ってしまった」と歌はるるは、長く慕はれまほしく思ふ女心に反し悲しきことなるとなりぬ。    平生、有名なる歌ひ手の歌ふ歌詞は次のやうに表記さる。  されど、原詩(原文)を探したるも見つけられず、下記

【歌詞】『浜辺の歌』/古文に隠された心情

 『浜辺の歌』は、大正時代の歌に古文が使われ、感傷的な要素が強いが、情景を想像しながら聴いていると意味の取りづらい歌詞が並ぶ。  これには、編集の際に、作者以の別人によって、第三節と第四節とがひとつにまとめられたということが定説としてあり、確証もなく不確実な事柄について憶測も幾つも重なり、このことから歌詞の内容をより不明瞭、不自然なものにしている。  歌の情景をもう少しはっきりさせるために憶測に惑わされることなく、文字として書かれた言葉の意味を拾ってみることにする。  歌詞

【随想】直訳を活かすが基本!/「直」は「まっすぐ見つめる」の意

 外国語であれ古語であれ、言葉を意訳するほうが理解しやすいことから良しとされてございます。直訳すると、不自然な日本語になり意味が不明となることも多くあり好ましくないと言われて、学校教育においても、直訳すればこうであるけれども、これは日本語としてこう訳すのが自然であると意訳を勧められます。これが、大きく誤っているとは思いませんけれども、長年外国人と一緒に仕事をしてきた経験から、必ずしも、意訳を良しとする傾向には納得いかないところがございます。  言葉はその地域の文化でございま