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【絵本】『もうじきたべられるぼく』を手にして
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表紙カバーの表
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「もうじきたべられるぼく」・・・
はじめてこのしょうげきのあるだいめいを目にしたのは、もうかなりまえ、しんぶんの下のほうにある本のこうこくのところでございました。
ちょっとした本のとりよせをたのんで、本やまでうけとりにいって、子どもむけの本のまえをとおったときに、ふとしたことで、どこかで見たことあるような本のだいめいに目がとまりました。
「もうじきたべられるぼく」・・・
たったひとことのだいめいが、ここまでしらないうちにあたまにこびりついたことなど、いままでございませんでした。
うつくしいうすいきいろをのひょうしのえほんでございます。
いまのいえに、おさない子がいるわけではございませんが、いっさつかってかえりました。
リュックサックをせおった子うしのひょうし、さてどこへでかけるのでございましょうか。
ほんぶんは、えきできっぷをかうところからはじまります。
れっしゃのなかで、小さいころ、おかあさんといっしょにいたことをおもいだしたり、草っぱらをかけるうま、どうぶつえんにいるぞうとかきりんとか、ほかのどうぶつたちのことをうらやましいとおもったりするのでございます。
子うしは、おかあさんにあいにいくために、れっしゃにのったのです。
そして、おかあさんのいるぼくじょうにつきます。
ぼくじょうでは、とおくから、おさない子うしたちとあそんでいるおかあさんを見つけます。
ここで、おかあさんへのおもいがいっきにふきだします。
ああ、それだからこそ、こえをかけることもなく、そっとかえっていくのでございますよ。
この本を手にするまえのかってなそうぞうでは、にんげんからたべられてしまう子うしのこころがいろいろゆれるものがたりなのかなとおもいました。しかし、そうではなく、おかあさんへのあいじょうのものがたりでございました。
このものがたりには、子うしのきもちが、ほんぶんにも、ひょうしにまかれたおび、あついかみのひょうしをめくったなかのひょうしにもかかれてございます。しかし、おかあさんうしのきもちはかかれてございません。それでも、おかあさんのきもちをじゅうぶんあらわすばめんがございます。
このえほんを見た子は、いったいなにをおもうのでございましょうか。
さくしゃがきたいするように、いのちのたいせつさをかんがえてくれるのでございましょうか。それとも、どうぶつをたべることのいみまでかんがえてくれるのでございましょうか。その子のまわりにどのようなおとながいるのかによるのかもしれません。
たいへんうつくしくできあがっているえほんであるとぞんじます。ぜんたいに、あわい、やさしいきいろをもとにしたいろあいで、子うしのやさしいすなおなきもちがあらわされてございます。
さいご、そのやさしさに、おかあさんだからこそ気がついたのでございましょう・・・
ものがたりは、そこまでなのでございますよ。
※タイトル画:ウェブにて拾ったもの