歯医者がおしえる自律神経の整え方
会社に近づくと、頭痛や腹痛、倦怠感や目まいが起きたり、どうも集中できずやる気がでない。それは、単に仕事のストレスだけではありません。
朝の間違った時間の使い方によって副交感神経のはたらきが急激に低下しているからです。
その解決方法を、自律神経のメカニズムとともに解説していきます。
まず、自律神経ってなんぞや?
ということですが、神経とは信号のやりとりをする道です。
①脳から脊髄までをつなぐ太い神経の束を中枢神経といいます。
②中枢神経から体の先まで網目のように広がるのが末梢神経です。
自律神経とはこの②の末梢神経にあたり、自分の意志ではコントロールできない、たとえば、心臓を動かしたり、腸を動かしたり、食べモノを消化したり生命を維持するための大切な機能を担っているのです。
ちなみに、手足を動かしたりコントロールできる神経は体性神経といいます。
自律神経は交感神経と副交感神経に分かれます。
・交感神経→車でいうとアクセル、興奮状態になる、心拍数、血圧上昇
・副交感神経→車でいうとブレーキ、リラックス状態になる、血圧低下
この2つの神経が交互に優位性が入れ替わりながら働くのが理想なのです。
日中(交感神経)←→夜(副交感神経)
人間はストレスを過剰に受けると交感神経が急激に優位になってしまいます。この落差が激しすぎると、血管が収縮して血流が悪くなりすぎ、脳に酸素を十分に送れなくなり、記憶力、判断力、集中力が低下します。
加えて、内蔵のはたらきも悪くなり、消化や栄養の吸収も低下します。
下痢、便秘、肌荒れ、髪のパサつき、爪の再生が悪くなる、頭痛、めまい、肩こり、倦怠感、冷え、不眠、など様々な症状が出てきます。
この自律神経の衰えは、男性で30代、女性は40代からといわれています。20代では多少の不眠でもへっちゃらだったのが、徐々に加齢によっても神経の乱れは起きるということです。
これを改善するには
朝に太陽の光を浴びるということです。
ぼくたちの1日の体内時計は24H+αだということです。
時計がずれていくのです。
それをリセットするのが朝日ということです。
さらに朝にコップ一杯の水を飲むということです。
これは副交感神経の働きが急激に低下することを防ぐためです。
みなさん緊張する場面でコップ1杯の水を飲んで、緊張をやわらげた経験ってありますよね?これは、胃が適度なシゲキをうけると交感神経が高まる作用があるからです。
朝、バタバタすると副交感神経→交感神経優位が急に進みます。すると1日中イライラしたり、不安を覚えたりする状態が続いてしまうということです。会社の前に来ると頭痛を覚える方は、朝日を浴びて、コップ一杯の水をゆっくり飲むことをおすすめします。
さらに食生活の改善も大切です。自律神経の原料はタンパク質であるということです。動物性のタンパク質をしっかりとることが必要ですね。
ただし、動物性のタンパク質を摂るときに気を付けることは脂肪の摂りすぎです。余分な脂肪が血流で酸化して腸内環境を悪化させます。油脂の酸化を防ぐには抗酸化成分を含む食べ物を一緒に食べることが必要です。
Bカロテン →ニンジン
ビタミンC →柑橘類
ビタミンE →かぼちゃ
ポリフェノール →ブドウ、プルーン
アントシアニン →なす、ブルーベリー
食べ方にも注意が必要です。大食いをせず、腹八分目でゆっくり咀嚼するということです。この咀嚼運動こそがリズム運動で、自律神経の乱れを整えてくれるのです。
トップレベルのスポーツ選手がガムを噛んだりしているのは自律神経が優位になりすぎるのを抑えるからです。良いかみ合わせは最大のパフォーマンスを生み出すということです。
さらに、メンタル面では深呼吸も大切です。
深い呼吸により、血流が良くなり、副交感神経の働きを高めてくれます。
深呼吸の方法は吸う息と吐く息の長さの割合を1対2にしてください。
吸う時間4秒、吐く時間8秒です。これを3分間ほど腹式呼吸で行うとかなり自律神経は興奮が収まります。
特に夜は交感神経が高ぶると寝つきが極端に悪くなります。ゲームをしたり、熱すぎるお風呂に浸かったり、ハードな筋トレをしたり、深く考え事をしたり、悩んだり、夜はとにかくゆったり時間を優雅に使うことです。
まとめると
・朝日を浴びる
・朝コップ一杯の水を飲む
・よく噛む
・深呼吸をする
・夜はゆっくりする
1日で神経のスイッチがうまくいくと深い眠りを得ることができます。
丁寧に自分の中で心と体を日内変動させてみましょう。