百段階段+港区立郷土歴史館
先月、雅叙園の百段階段、それから港区立郷土歴史館へ友人たちと行った。上の桜は、啓翁桜。エントランスに飾られていた春色。
写真を撮り過ぎたらしく、noteへはすっかり遅くなってしまった。が、それだけ楽しんだ日ということでもある。
近ければ今週末、郷土歴史館には家族と再訪予定。足踏みミシンで、返し縫いの操作までマスターしてきたい。
友人の提案で行くことにした百段階段では、「千年雛めぐり - 百段雛まつり2024平安から現代へ受け継ぐ想い」を見た。日差しはあり明るいものの、とても寒かった日。会場は春の景色だった。
会期中なので展示作品以外の写真だけ載せておく。
何度か行った百段階段でも、今回がいちばん会場内が明るかったのではないか。普段ならもっと薄暗くて見えない建物の意匠も、はっきりと見えた。
昔の流し雛の雰囲気の立ち雛や、現代作家さんによる美しいお雛様、部屋いっぱいに飾られている座敷雛、ネコだらけなお雛様、吊し飾り…
多様な飾りを幸せに楽しめた。
そもそも現代に残る雛飾りは、幸せな結婚を願う結婚式を模した飾り。私自身は、恋愛も結婚も願って育ってこなかったヘンな人。だが、さすがにこの会場で幸せ感がなかったら、ヒトは何を考えてるんだろう、と悩むだろう。
ヘンな私でなくても、恋愛や結婚に対する考えが多様な今。昔ながらの形の飾りをどう感じるのかは人によりそうだ。それでも、幸せを願い、幸せになれるなら、どんな形でもそれが何よりだと思う。
帰りがけのミュージアムショップのそばで、スタッフさんに百段階段の途中にある、黒猫のボードについて尋ねてみた。ライトとのことだった。春の大正ロマンで見たような、という話をすると、それと同じらしかった。
12月に行ったときのショップのレジでは、ヘンな人の私は、おかしなやり取りになってしまった。そんなことよりも、その黒猫について教われば良かった、と思っていた話。
ようやく昨日、検索してみた。
東洋ケース株式会社の「CAT WALL LIGHT」の「おさんぽ」だった。
百段階段で点灯しているのを見た記憶はないが、ライトだったらしい。バックライトで黒猫のシルエットが楽しい照明。会場では消灯だったのだろう。
「おさんぽ」だけではなく、他にも昨春の展示で見かけたデザイがあった。展示作品そばにいくつも飾られていた。
寒かった日だからなのか何なのか、百段階段の展示エリアは、めっっっちゃ寒かった。帰宅後に風邪をひき始めていることに気づいた。撮った写真どころではなく、風邪を悪化させないよう、暖かく早く寝るのが最優先だった。
外は寒い→館内のミュージアムショップは汗をかきそうなほど暖かい→その先の百段階段は寒い、という感じで、温度差が激しかった。そうでなくても、移動の電車内は暑いくらいに暖かかったり、内外の温度差が激しかった日。
とても楽しい日だったのだが…
寒暖差による負荷は、体にもメンタルにも大きかった。
百段階段は靴を脱ぐので、モコモコなルームソックスを持って行っておけば良かったのだろう。コートは着たままでないと無理な寒さ。
外気温よりは暖かかったはずなのだが… 靴を脱ぎ足下が冷たいせいか、ミュージアムショップを通り過ぎた途端に冷えたせいか、外と同じ寒さに感じた。
ランチはスパイシーなエスニック、ビリヤニで温まったのだが…
寒い日に行かれる場合は、お気を付けください。
郷土歴史館は、私が2月の一人休みはどこへ行こうかな、と調べている中で偶々気になった場所だった。
見かけたのは企画展情報だったが、無料のエリアだけでも、素敵な建築で時間が足りないだろうと思った。コミュニケーションルームという、クジラの骨や、鳥などの剥製、昭和家電に触れる場所も楽しそうだった。
友人たちに提案した。一人は行ったことがあったが、企画展と図書室くらいしか見ていないとのことだった。
図書室にも行った。小さな窓から、外部の飾りが見えたり、興味深い本だけではなく楽しい場所だった。当初の図書館は閉架式で、中に入れる図書館ではなかったらしい。
その閉架式の現役の書庫を、図書室のカウンターそばから少し見ることができた。書庫エリア隣の廊下に扉がなかったり、外から見てもブラインドが下りていたりで大空間を感じられる。2階には受け渡ししていたカウンターなどがあった。
当初の建物自体が頑丈な様子で、補強を追加したり、バリアフリーに対応したりしつつ、古い時代の様子がたくさん残っている建築。
この下はしばらく、私がいちばん楽しみにしていた講堂の写真。
この建物は、旧公衆衛生院。大学のような研究施設、とパンフレットに書かれていた。
今日、改めて地図を見ていると…
隣接するのは、東京大学の医学部や病院だったり、北里大学の病院や研究所も近かったり、医療について大きな機能を担ってきている土地柄なんだなと思った。
今の東京大学医科学研究所は、ガイダンスルームのデジタルな古地図では、伝染病研究所、と読めるもっと古い漢字が書かれていた。図書室にもそんな資料があるのだろう。
地域について伝えることを主目的にしている様子の図書室だった。港区は、国内最初に開業した鉄道路線の停車場「新橋」がある土地。地図だけではなく鉄道の資料も多そうだった。2階エントランス外には、高輪築堤についての展示もあった。
この下は、図書室と同じ3階の写真。
ウケただけではなく、昔のエレベーターはキケンだったことも改めて感じた。
書かれていたのは、「このボタンを押せば乗籠が来ます。乗籠が止まってから扉を開けてお乗りください。運転中はボタンを押しても無駄です」
ということは当然のように、乗るケージが正しい位置になくても、扉を開けることは可能だったということで。その先のキケンな展開は想像したくない。
このそばが、触れる展示もたくさんの展示室。旧図書閲覧室の場所にあるコミュニケーションルームだった。
大きなクジラの骨格標本、クジラの歯、タヌキ・フクロウなどの剥製…たくさん触れる。
触れる昭和家電もたくさん。似た展示は過去に見たことがあっても、触れることはほぼない。氷を収納して冷やす冷蔵庫を開けてみたり、レトロな保温ジャーを開けてみたり。
どうやら写真がないので、たくさん実体験を楽しんできたということ。
私としては、足踏みミシンを動かせたのが嬉しかった。針や布はないものの、触るだけではなく動かせる展示物。
私が子どもの頃には、祖母が現役で使っていたのだが、操作が難しいという理由で触らせてもらえなかった。小学校で習うより早くから、母の電動ミシンは使ってみていたのだが、そんなに簡単に動かないとのことだった。
どうにか動かした話を帰宅して夫にすると、「遅い」とのこと。それでは手縫いの方が早いと。それほど年の差はない夫は、小5で習うミシンが足踏みだったらしい。
夫が検索した動画も見て、はずみ車の使い方を間違えていたことに気づいた。電動ミシンでも右側にある円いハンドル。
電動では、微調整な動きや、糸などのセッティングでしか触らない。が、祖母も勢いをつけて回していたなーと思い出した。はずみをつけないと、踏み板が引っかかる感じに止まってしまう。前後に踏み続けられない。
そのいろいろと触れる展示を子どもが気になったらしく、今週末か、どこか近いうちに再訪することになっている。私も、触らなかったものがたくさんあるので、もっと触ってきたい。
ミシンは夫が理解しているらしいので、返し縫いの動きまでマスターしてきたいなと、また動かすのを楽しみにしている。足踏みミシンは、うっかりすると逆走する構造。うっかりではない動きで返し縫いするということだろう。
区内の浅野総一郎邸にあったもの。撮って帰った説明書きの中の、浅野セメントという名前に見覚えがあった。昨春の写真を見直した。
いろいろと興味深く楽しんだ日だった。
郷土歴史館のミュージアムショップで、スギの良い香りがする栞を買って帰った。
※「おでかけ」note公式記事まとめに、追加いただいたようです。楽しんでいただけましたら幸いです。