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彼女募集中なら応募フォームを用意しておいてもらっていいですか。

久しぶりに好きな人ができた。

久しぶりの恋にわかりやすく心が躍る。


「好きな人できた」と君に報告する。私たちはその辺の会社員よりも、ホウレンソウを徹底している。「誰?誰?」食い気味に聞いてくる君に答える。「あんたの友達」私は友達の友達に恋をした。「えーーーーあいつ???」君は大きな目をさらに大きく見開いて驚いた。
「あいつ彼女募集中やから協力するわ!」すごい勢いで君が言うから面白くなってしまった。こんなに強い味方はいないだろう。
そして「彼女募集中」と聞いて、彼に彼女がいないことを確認できてひとまず安心できた。
「とりあえずLINEしよ」なんて言いながら私の携帯を奪ってテキストを打ち込み始めた。明らかに君の方が舞い上がっている。


彼女がいないことが分かったのはいいが、募集中ってなんだ。応募できるとでもいうのだろうか。「募集中」を公言するなら応募フォームをつくってTwitterかInstagramにでも貼り付けておくべきなんじゃないか。

「なぁ、応募フォームないん?」
ウキウキしていた君の顔が一気にハテナで埋め尽くされる。
いつも君は私のこんな変な話を一応は聞いてくれるが、なぜか今回は違った。珍しく君が私の変な妄想を切り捨てた。
「そんなんほんまにあると思ってんの?」
いや、別にほんまにあると思ってるわけじゃないけど、、と言葉にしようと思ったが力が抜けて言葉にはならなかった。
「そんなこと考えてる時間あったらご飯誘いーや」と君に怒られてしまった。



きっと君はこんなんだから、彼氏がいるし、私はこんなんだから彼氏がいない。誰がどう見ても不思議さなんて1ミリもない。


脈があるのかないのかなんて1ミリもわからないし、私がこんな理屈っぽい理由に至っては1ミクロンもわからない。


ただ、こんな理屈っぽい私が可愛くないことだけはわかる。








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凪
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