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【TS013】循環型社会と物質不滅の法則(後編)

プロローグ

前回は、生命そのものをサーキュラーエコノミー(循環型経済)として捉え、哲学的な深みと自然の仕組みに対するに思いを馳せてみた
今回はもう少し深堀してみようと思う🤗
前編はコチラ(【TS012】循環型社会と物質不滅の法則(前編);2025/2/2投稿)

生命と物質循環の本質についての考察(深掘り)

循環型経済の本質

サーキュラーエコノミーの目的は
「無駄をなくし、再利用とリサイクルを通じて資源を持続可能に使うこと」
人間の存在自体をその仕組みの一部と捉える視点は、以下のイメージかな☺️
参照記事:【SP005】COP29に見る駆け引き-各国の我田引水-;2025/1/12投稿

宇宙船地球号から🌏を眺める高い視座を🫶

自然界の循環と人間社会の違い

自然界の循環(例えば炭素や水の循環):次の新しい生命のタネになるレベルまで現世代の生命に分解され、そして、原子は、様々な形に姿を変えながら地球の物質大循環サイクルに取り込まれ、宇宙船地球号(閉じた宇宙船)の中で無駄を出さずに物質バランスが保たれている

人間社会の循環(ゴミや汚染の循環):燃えるゴミは、高温の焼却炉で無理やり「燃やしたゴミ」として、その焼却灰の一部は、リユース♻️されたりもする。
一方、燃えないゴミ、すなわち「自然界で再利用できないもの」は、そうはいかず埋め立てて人間社会の視界から消してしまう。
確かに、人間ではなく、地球あるいは宇宙の時間スケールで考えれば、その燃えないゴミも、いずれは物質循環のサイクルに取り込まれるであろう。
しかしここでは、人間が営むライフサイクルの時間軸に限って言えば、「自然界で再利用できないもの」を生み出すことは課題として広く認識されている(例えば、海洋のマイクロプラスチック問題など)

このような課題について、人間社会を「自然のサーキュラーエコノミー」に完全に合致させるには、いかにして人工物を自然に溶け込ませるかが重要だと思う

なぜなら、現代の世界に住む人間を前近代的な時代まで巻き戻した生活を強いるのは無理がある。(もちろん、江戸時代を生きた人のエコマインドを持つことはできたとしても)
寧ろ、これまでの人類の知恵と努力によって紡いできた技術や生きる知恵、「人智の結晶」を積極的に利活用する姿勢が、人間社会が自然と共存してく一つの道なのではないか🤔💭

あいにく、この課題に対する直接的な解は持ち合わせてないけど、地球温暖化への影響度が大きいCO2やCH4に関しては、例えば、CO2回収技術(CCS)の積極的なプラント設備への適用などによって、CO2を大気中から回収して、地中や海底に閉じ込め(貯留)、そして、貯留したCO2を再利用するCCUS技術などがある。
産業革命以降、社会が排出したCO2やCH4を人工物と見做せば、CCSやCCUS の人智の結晶は、それらを自然に溶け込ませる技術と呼べるのかも知れない🧐

因みに、CO2より温室効果が高く、牛のゲップでも発生するメタン(CH4)については、その発生を抑える薬が開発されたらしい
であれば、エコに厳しいEUの廃炭鉱は、メタンの隠れた脅威だから、この開発した薬をその地帯に撒けばメタンの発生が抑えられるのかな🤔💭(薬のことは何にも分かっていないので根拠は全くございません🙇)

そして、技術・スキル以上に大事だと思うのが教育によるマインド醸成📚
先に示した宇宙船地球号のような俯瞰した考えやものの見方が必要だと思う🧐

サーキュラーエコノミーの応用範囲

サーキュラーエコノミーのアイデアは、一般的には、単に資源をリサイクルするだけでなく、
・デザインの段階で廃棄物を出さない
・製品の寿命を延ばす
・共有経済を活用する
など多様な方法がある
これらのアイディアは、一貫した価値観をベースに展開されたもので、先に述べたように、自然界が「使い捨てをしない」、つまり、「物質循環を営む」ことと合致する

例えば、家や車、衣服といった人間の創造物を、どのように自然の循環の中に戻せる形で作るかを課題として取り組む鮫島氏のエシカルファッションなどは、自然に還る素材を使う(さらに、エチオピアでシープの毛を紡ぐ作業員の自立した生活も担保)という点で、宇宙船地球号のような高い視座を持ったビジネスの典型だと思う💖

精神的なサーキュラーエコノミー

サーキュラーエコノミーの広義的な解釈として、身体だけでなく、知識や文化「精神的循環」の一部と考えることができるのではないか🤔💭

自分の考えや経験(自分軸に基づく自己受容)は、他者に影響を与え(他者信頼に基づく周囲の取り込み)、それが、さらに社会全体の共有する新しい価値を生むことに繋がる(貢献感に基づく共同体感覚)
まさにアドラーの共同体感覚と呼べる思想だと思う。アドラー心理学は、彼が100年前に生きた時代から精神的なサーキュラーエコノミーを繰り返しながら、時代の人々の心と精神を経由しながら、確立した理論として現代まで脈々と受け継がれている☺️

【TW049】共同体感覚のシャンパンタワーと浦霞

まとめ

以上、自然界と人間社会がどのように共生すべきか、物質と精神までを含めて深掘りしてみた
この視点を元にして「人間社会が自然の仕組みに近づくためにはどうするべきか」を考える機会があれば、次回深掘りしてみたい💙

その時の論点の方向性としては
・「人間が作る全てを、自然の一部に戻せるように設計する」思考・技術的側面
・「生命を尊重し、無駄を出さないライフスタイルを追求する」哲学・精神的側面
の二本柱になるかな☺️

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