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親に対する不満は、大人になってからの人格形成に大きく関係する?

臨床でリハビリ業務を行っていると、様々な家族関係や親子関係の様子を見ることが多いのですが…やっぱり大人になってからの人格形成には親子関係…特に親に対しての不満の程度が大きく関与するんじゃないかって肌で感じています。


大人の人格形成への影響

幼少期の親子関係が、大人になったときどんな影響を及ぼすのか…を調べたら次の4つがあげられました。

1.自己評価への影響

親からの過度な期待や批判は、自己評価に直接的な影響を及ぼすんですね。
幼少期に親から「もっと頑張れる」「まだ足りない」といった期待を繰り返し受けると、自分がどれだけ努力しても十分ではないという感覚が植え付けられることがあるようです。
また、逆に無関心や無評価も、子どもの自己存在感を低下させ、自尊心の低さにつながってしまいます。
大人になった後、このような自己評価の低さは新しい挑戦を避ける原因となり、自己実現の機会を逃すことにつながってしまうようです。

一方で、親からの肯定的な評価が多かった場合は、ポジティブな自己イメージが形成され、成功体験への意欲が高まる可能性があります。
基本は「褒めて伸ばす」ってことが重要なんでしょうね。

2.対人関係への影響

親との不健全な関係パターンは、他者との関係に深い影響を及ぼしてしまいます。
例えば、親が過保護であった場合、自分の力で問題を解決する機会が減り、他者依存的な性格になってしまいます。また、親の支配的な態度や虐待を受けた経験がある場合は、人間関係に対する不信感が形成されることがあるようです。
この結果として、対人不安や過剰な警戒心が生じ、新しい関係を築くことに困難を覚える場合があります。

しかしながら、親との適切な距離感が保たれた関係性は、健全な対人スキルを育み、社会的な成功や幸福感につながります。
この適切な距離ってのがまた難しいのでしょうけどね。

3. 感情調整の困難

幼少期の親子関係において、感情の抑圧が繰り返されると、感情調整能力に課題が生じてしまいます。
特に、怒りや悲しみといった感情が否定され続けると、大人になってからこれらの感情を適切に表現できなくなる場合があるようです。
感情を言語化して伝える経験が不足していると、強いストレス下で感情を暴発させたり、逆に過度に抑え込んでしまうことがあります。
これが続くと、精神的な負担が蓄積し、抑うつや不安障害といったメンタルヘルスの問題に発展する可能性もでてきてしまいます。

親が子どもの感情を受け入れ、共感的に接することで、適切な感情表現のスキルを育む助けとなります。
きちんと自分の感情を適切に言語化し、客観視したうえでどう対処するか?を導くようにしないといけないのでしょうね。

4. アイデンティティの形成

親からの過剰な期待や指示は、子どものアイデンティティ形成に影響を与えてしまいます。
親が子どもに特定の価値観や目標を押し付けすぎると、子どもは自分の本心を見失ってしまいます。その結果、自分自身の望みや特性を無視し、親の期待に応えることを優先してしまうケースがあるようです。
成人後も「本当の自分が何を望んでいるのか分からない」という状況に陥りやすく、これが人生の満足感や達成感を低下させる要因となります。

逆に、親が個性を尊重し、子どもに自由な選択肢を与えた場合は、自分のアイデンティティをしっかりと確立できる可能性が高まります。
もちろん幼少期の時は親が先導する必要があるでしょうが、それでも少しずつ自分で決め、挑戦させるような環境、距離感が重要になってくるのでしょうね。

これって大人に対しても同じじゃない?

上記はあくまで子育てや親子関係においてですが、これって大人同士…ここでは部下や新人育成、なんなら患者さんへの指導や教育って文脈でも同じだと思うんです。

適切な関係を取らないと、やっぱり指導されているほうって…

・自己評価
・対人関係
・感情調整
・アイデンティティ

…の面でゆがみが出ててきてしまいます。

人の成長を支援するということでは一緒

親子関係、部下育成、新人教育、患者指導のいずれも、 「人の成長を支援する」 という文脈で共通しています。
相手の自己評価、対人関係、感情調整能力、アイデンティティの形成に配慮しながら関わることは、どの場面でも効果的です。
指導者の役割は、相手が 「自分で考え、自分で動けるようになる」 ための環境を整え、必要なサポートを提供することにあります。

こうした視点は、特に作業療法や教育、育成の場面で非常に重要なんだと思うんですよね。

参考文献・記事

児童期の母子関係が青年期の字が形成に及ぼす影響
性格形成に与える母親の影響


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