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喫茶店のアイスカフェラテ

ある喫茶店での出来事


近所に買い物に出かけた。
ちょっと休憩と、気になっていた喫茶店に立ち寄る。
小さい看板のその先には、2階へと続く細い階段。その街の老舗の喫茶店という雰囲気。


休日のAM11時を過ぎた頃、20席ほどの店内には、2、3組のお客さん。年齢層は高めだが、30代くらいの男女もいて少しホッとし、店内へ。


今どき珍しい、着席後お冷とメニューを持ってきてくれる昔ながらのスタイル。
メニューを見ると、このお店のコーヒーはダッチコーヒーという水出しコーヒーのスタイルだそう。


食事メニューもトーストサンドから、ハンバーグ、スパゲティ、グラタン、ドリアなど喫茶店にしては充実のラインナップ。


「へぇ〜お食事系色々いろいろあるね、あさりとしめじのスパゲティとか、おいしそう。」とか会話をしながら、ちょっとお茶しにくらいの気持ちで入ったので、夫はダッチコーヒーアイス、私はダッチコーヒーアイスカフェラテを注文。


11時半を過ぎると、続々とお客さんが入ってくる。扉を開け、軽く挨拶をし、そのままテーブルに向かう人たち、常連さんかな。


そんな中運ばれてきた、私たちのドリンク。
「はい、⚪︎⚪︎です〜」


“ん?カフェラテにホイップがのっている...
コーヒーと牛乳が二層になっていない... 想像と違う...”
「へぇ〜なんで、ホイップ乗ってるんだろう」とつぶやき、恐る恐る口にしてみると


あれ、やってしまった。コレじゃない。


甘い、甘過ぎる。しかも人工甘味料の苦手な甘さ。その上ホイップまで...
「これ、じゃない...」
「え?!」
「めっちゃ甘い。」泣


「えー。私が飲みたかったのは、これじゃないのよー」と悲しさのあまり、文句たらたら...(子供じゃないんだから)


誰も悪いわけじゃない、
この喫茶店のカフェラテはこういうもので、そうだよね、水だしコーヒーのお店でエスプレッソとミルクのカフェラテが出てくるはずがない。
自分のイメージと、現実のギャップに堪えきれず、ポロポロと愚痴をこぼす私。


夫は「新しいの頼めば?」とか、自分のドリンクを差し出し「これ飲んでいいよ」と私をなだめる。
アイスダッチコーヒーを一口。「うん、おいしい」
私のアイスカフェラテを夫も一口。「うん、甘いね」と一言いい、さらに上のホイップをぐるぐるとストローで混ぜ始めた。


〝ちょっと、ただでさえ甘いのにそのクリーム混ぜないでよ〟口先まで出かかった言葉を飲み込む。
それをもう一口飲んだ夫は「おっ、おいしくなった。カフェラテっぽくなったよ」
私も一口。「あ、ほんとだ。甘さがマイルドになってラテ感増したかも」


結局、そのアイスカフェラテは2/3程残し、お会計へ。
帰る頃には12時を過ぎ、店内は昼食をとる人でいっぱいに。カレーはカレーポットとライスのお皿が別に出てくる本格派で、おいしそう。


”うん、このお店は悪くない”
想像と違ったオーダーをして、口に合わなかった。ただそれだけ。
入り口ですれ違ったのは、細い階段を駆け上がってきた若い大学生くらいの男の子。その後ろには、杖で一生懸命階段を上がるおばあちゃん。


“あ、やっぱりこのお店はいいお店だ”
“私が残したアイスカフェラテをみて、店員さんはどう思ったかな...”
と、何とも言えない気持ちで店を出た。



***

そこから得た人生の教訓

  1. まずは、受け入れる。
    在るものを一回は受け入れてみる。結果違うは、OK。

  2. 一度違うな、と思っても違う変化をもたらせてみる。
    あのホイップを混ぜた夫に感心。

  3. 思い込みが強すぎると、勝手にひとりで裏切られる。
    何処へ行ってもフラットな心構えでいたい。



***

恥ずかしすぎる余談

後日、気づいたことだけれども
お店のメニューには『アイスダッチ“カフェオレ”』と書かれていたのはここだけの話で。


“•••カフェオレ、、
そっか、それなら甘いドリンクだよね”
思い込みの強さが文字まで違って見えていたよう。



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kona

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