人生の意味
嫌われる勇気 No48 導きの星
「…なんということだ」青年は感嘆の言葉を発します。
「水を呑むかどうかは、あなた次第です」と哲人は返します。
傾きつつある青年は、「最後にもう一つだけ」と絞り出すように哲人に言います。
青年「いったい人生の意味とはなんなのでしょうか?」
哲人「アドラーの答えは一般的な人生の意味はないというものでした。〜人生には一般論として語れるような意味は存在しないのです」
青年「ええ、ええ!」
哲人「われわれは困難に見舞われたときにこそ前を見て、これからなにができるのか?を考えるべきなのです」
青年「そうですとも!」
哲人「アドラーは〜こう続けています。人生の意味は、あなたが自分自身に与えるものだと」
青年「わたしはどうすれば、無意味な人生にしかるべき意味を与えられるのでしょう?」か
哲人「アドラー心理学では、自由なる人生の大きな指針として導きの星というものを掲げます。旅人が北極星を頼りに旅をするように、われわれの人生にも導きの星が必要になる」
導きの星、あるのでしょうか?
人生の意味は探して見つかるものではない。ある時、いま、ここ、で自分自身に与えるもの。
確かに!確かに、北極星を頼りに旅する旅人は、北極星にたどり着きたい訳じゃない。方向を決めているだけ。
その旅の途中、立ち寄ったそれぞれの場所や歩いていて出会った人、出来事の、いま、そこでの意味、つまり、自分の存在をその都度実感していくだけ。共同体感覚。
目的を持つことは、手段でしかないかもしれない。では、その目的、導きの星とは?