嫌われる勇気 No32 自分ブレーキ
一ヶ月ぶりに哲人の部屋を訪れた青年は、ちょっと元気ない…
自己への執着
「共同体感覚は魅力的な考え方です」と低トーンで話し始める青年。しかし、その声色に懸念の匂いを嗅ぎ取った哲人は「しかし?」と訊き返します。
青年は言います。「まずは”わたし”について、しっかり理解する。続いて、一対一の関係、~そうしてようやく、大きな共同体が見えていくるのではないかと」と歯切れなく。
でも一番聞きたかったことは、自己への執着についてでした。「どうしたって自分が気になるし、自分ばかりを見てしまう。~自分に自信が持てないからこそ、自意識過剰になってしまう」と吐露します。
自分を意識するあまりに他者や周りが見えなくなってしまう。
大学生の頃、精神医学の講義である精神科医が「現代は(もう15年程前になりますが)、自意識ソングに溢れている」と言っていたことを思い出します。たしか浜崎あゆみの歌を例に出していました。そんな曲が売れまくるということは、皆、自意識過剰に陥っていると。
そして、わたしも聞きまくっていましたよ…
この地球(ホシ)に生れついた日
きっとなんだか嬉しくて
きっとなんだか切なくて
僕らは泣いていたんだ
今、聞いても全く色褪せませんが。
「こんな質問をしたら笑われるかもしれない、的外れな意見だと馬鹿にされるかもしれない」そう青年は考えてしまう。
いや、考えますよ。LINEグループに一言いうだけで、考えます…。
少なくてとも、このnoteに投稿するのだって相当考えます。そもそも、こうやって投稿していること自体、自意識のなせる業、だったりします。
みなさんは、考えませんか?
どう思われるだろうか? 私の考えはどう人に映るだろうか?
スキはもらえるだろうか? フォローは増えるだろうか?
ブレーキを踏みつつ、でも、皆さんは、書いている。わたしも書いている。
それが大事なんだろうと思います。
わたしが尊敬する精神科医で心理療法家がいつも口にするキーワードは、
キープテンション!!
そう、葛藤を抱え、そのままで居ること。
では、自己への執着を手放し、他者への関心を持つにはどうした良いか?
それには、自己受容、他者信頼、他者貢献とされます。では。