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『小説』永遠に宇宙に 完結編 ∼さよならからの始まり 絆は永遠に∼ 一章 決断 第 3話

弥生「お帰りなさいませ若社長」
優司「若社長じゃねェって」
弥生「ではお坊ちゃま」
優司「そ、それも勘弁してくれよ」
弥生「では崎谷優司(さきやゆうじ)様、お帰りなさいませ」
優司「参ったな···もォ許してくれよ弥生(やよい)さん」
弥生「いいえ!!私は決して許しません、社長に対しての口の訊き方が」
優司「ハァ······大体アイツが先に」
弥生「いいですか?何故美菜様がこの家を出たのか、何故美菜様が優司さんを一緒に連れて行かなかったのか、社長にしてもきちんと考えがあっての事なのです、優司さんのお気持ちは十分理解出来ますが、崎谷グループの跡取りとしてもっと自覚を持って頂かなければ困ります」
優司「分かっているけどさァ」
弥生「いいえ、全く分かっていません」
優司「 そんな事無いってば」
弥生「優司さんが確りして頂かなければ、この私がいの一番にお払い箱になるでしょォけど?」
優司「何で弥生さんが」
弥生「私が優司さんのお世話係だからです」
優司「そんな事したら俺が母さんに言って」
弥生「居なくなってしまった人にどォやって頼むのですか?」
優司「母さんは」
弥生「美菜様は家を出る前に私にこォ話してくれました」
※     ※     ※     ※
美菜「弥生さんゴメ···私ヤッパ加奈の事は忘れられないのよ」
弥生「分かっております、それは私も修二(しゅうじ)も同じ気持ちです」
美菜「うん···ありがと、あの人とは加奈の想いを共感し合えると思ったから一緒になったのだけれど」
弥生「社長も養子としての事もありますし、先代の時の様な会社の勢力も少しずつですが低下して来ていますので」
美菜「そォね?でも···だからと言って加奈の事は別でしょ?私達は決して加奈の存在を蔑ろにしては」
弥生「社長は加奈さんを蔑ろにはしていませんよ?」
美菜「弥生さん!!·········ヤッパ私の言っている事って我が儘なのかなァ」
弥生「そォですね?可也り我が儘だと思いますよ?」
美菜「そっか······だよね?でも弥生さんなら分かってくれるでしょ?」
弥生「私だけじゃありません、修二も分かっていますから」
美菜「うん、そォ言ってくれるだけで助かるよ」
弥生「本当に行かれてしまうのですか?」
美菜「うん、優司の事弥生さんに任せてもいい?私からの最後のお願い」
弥生「畏まりました、美菜様の思い描いた人物になれる様努力します」
美菜「ありがと······じゃァさよなら弥生さん」
弥生「えェ···お体に気を付けて」
※     ※     ※     ※
美菜「ちょっと!!どォ言う意味?アナタに取って加奈の存在は」
優也「好い加減にしてくれ!!加奈は死んだんだぞ!!それに俺は君と結婚したんだ!!君の方こそ分かってくれよ!!」
美菜「そんな······アナタに取って加奈の気持ちがそんなに軽い物だったなんて」
優也「そォでは無い!!分かってくれ、俺の妻は加奈じゃない!!君なんだ」
美菜「そォよ?でも私達が一緒になれた切っ掛けは?私達は加奈が居てくれたから···加奈の存在があったから···それを忘れない為に私達は」
優也「君の言いたい事は分かる、だが俺の気持ちも分かって」
美菜「アナタの気持ちなんて分らないわよ!!」
優也「美菜············」
スタスタスタスタ
優也「どォしても行ってしまうのか?」
美菜「えェ·········これ以上アナタと一緒には居られない」
優也「考え直す事は······もォ無理なのか?」
美菜「·········御免なさい」
優也「優司は!!優司はどォするんだよ!!君が居なければあの子は」
美菜「·········さようなら」
優也「お、俺はまだ諦めて···離婚は······美菜!!」
バタン!!スタスタスタスタ
優司「お母さん···どこか行くの?」
美菜「優司······えェちょっと買い物にね?」
優司「僕も一緒に連れて······何で泣いているの?」
美菜「フフフちょっと目にゴミが入っちゃってね?」
優司「僕が拭いてあげる」
美菜「ありがとォ、優しいのね?」
優司「そォさ!!僕はお母さんを守る為に、強く優しい男になるんだ!!」
美菜「そっか、じゃァ楽しみにしているね?」
優司「うん!!」
美菜「でも御免なさい、今日はお母さん1人で行かなければいけないのよ、だから良い子にしていてくれる?」
優司「うん!!今日また太陽の中のお話しをしてくれる?」
美菜「えェ···弥生さんの言う事は確りと聞くのよ?」
優司「はァ∼い、行ってらっしゃい」
※     ※     ※     ※
優司「ったくよォ······買い物じゃねェじゃねェか······ハァ···母さんにどこ行っちまったんだよ······俺は親父とは上手くやってけねェってのに······どォすりゃいいんだ···教えてくれよ母さん」
コン、コン、コン···ギィ∼∼ッ
弥生「優司さん、食事の用意が出来ましたよ?」
優司「アイツは?」
弥生「既にお待ちです」
優司「弥生さんはまた俺とアイツのバトルを見たいだて事だ」
弥生「ウフフそォですね?毎回しどろもどろ、悪戦苦闘している姿を見るのが楽しいんですよ」
優司「それって···悪趣味じゃん」
弥生「そォですか?私は優司さんの成長が見れて嬉しいんですけれど?」
優司「ハァ···弥生さんには敵わねェや······でも何でこんなに俺の面倒を見てくれるんだ?普通ならとっくに嫌気が差して親父に替えて貰うだろ?」
弥生「何故だと思いますか?」
優司「さァな?分かんねェから聞いてるんだけどな?」
弥生「少しは考える力を身に付けて下さい」
優司「ったく母さんみたいな······母さんか!!」
弥生「そォです、私は美菜様から直接優司さんの事を任されましたので、こんな事くらいで投げ出していたら美菜様に叱られてしまいますよ」
優司「叱るって···戻って来ねェのにか?」
弥生「ウフフそォてすね?」
優司「ん?···若しかして弥生さんは母さんの居所を知ってんのか?」
弥生「さァ?どォでしょォか?」
優司「知ってんなら教えてくれよ!!」
弥生「居所ですか?」
優司「そォだよ!!」
弥生「残念ながら私•は•知りません」
優司「んだよ······え?私はって」
弥生「優司さん食事は部屋に運ばせますので、食べ終えたら部屋の外に出しておいて下さいね?」
優司「え?···あァ···そ、そォじゃなくて」
キィ∼∼バタン!!
優司「弥生さ······行っちまった···んだよ、知ってんなら教えてくれたっていいじゃねェか」
     

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