『小説』永遠に宇宙に 完結編 ∼さよならからの始まり 絆は永遠に∼ 一章 決断 第 2話
美菜「加奈·········ハア···ゴメンね?別に裏切る訳じゃなかったんだけどさァ······って、ラベンダーの、花束ぐらいじゃ納得出来ないよね?フフフでもヤッパ私に合う男の人って居なかったわ、と言う事で私は独り身になったから、これからは親友の為だけに残りの人生を過ごす事にするよ」
サザン「良いのですね?ミーナ」
美菜「ミーナ···か、フフフ久し振りに呼ばれたよ健太(けんた)」
サザン「健太は病で亡くなりましたよ?」
美菜「そォ言う設定にしたんだ」
サザン「設定···フフ、まァそォ言う事にしますか」
美菜「じゃァ今はサン?···違うか、サザンでいいんだっけ?」
サザン「えェ、ですがグランの前ではまだ」
美菜「あ!!そっかグランは敵なんだったね?」
サザン「敵···なのでしょォか」
美菜「ん?」
サザン「確かにグランは敵である事を隠し潜入して来たのですが」
美菜「変わっちゃった?」
サザン「どォでしょォか」
美菜「気になっている事は?」
サザン「グランが豹牙と融合した事です」
美菜「成程···若しかしたら豹牙の意思が強くて、グランを吸収しちゃったから?」
サザン「いいえ」
美菜「ん?」
サザン「まだ吸収はしていません」
美菜「そォなんだ、でもさァ前に話してくれたのって」
サザン「えェ、意思の強い方が弱い方を必ず吸収してしまう筈···なのですが、この様なケースは」
美菜「今までに無いんだ」
サザン「はい」
美菜「そっか、だからまだどっち付かずって事なんだ」
サザン「ハァ···豹牙とグランが完全に一体化していない今でさえ強大になってしまったと言うのに···若しグランが豹牙を吸収してしまったら」
美菜「そォか······加奈の天敵になっちゃうって事だね?」
サザン「恐らくですがそれ以上に」
美菜「私でも無理って事?」
サザン「どォでしょォか」
美菜「ん?どォ言う事?」
サザン「ミーナ次第と言う事ですよ」
美菜「私次第って?」
サザン「忘れてしまいましたか?」
美菜「ん?······あァ目醒めってやつか」
サザン「はい、ですがミーナにしてもグランにしても、どちらも未知数ですので」
美菜「······分かった、んじゃァ取り敢えずは私の目醒めと、豹牙のグラン吸収に賭けるって事で、行こっかグラン•バルに」
タッタッ、ボボワァ∼ッ
グラン「来たか」
美菜「久し振りだね?···えェとォ」
グラン「グランでいい」
美菜「って事は豹牙はもォ吸収されちゃったって事だ」
グラン「いや···代わるか?」
美菜「そォね?色々話したい事もあるから」
スタスタスタ
爽「久し振りだね?美菜(みな)」
美菜「ん?あ!!爽(あきら)じゃん、久し振りィ、変わんないね?」
爽「美菜だって変わんないじゃん、今でも凄く綺麗だよ?」
美菜「フフフありがと、暫く会わない間にそォ言った事が言える様になったんだね?」
爽「アハハそォかもね?」
グラン「今までどこに居たんだ?」
爽「どこだっていいだろ?何で豹牙に僕の自由を奪われなきゃならないんだよ」
グラン「別にそォ言う意味で言った訳では···すまん」
爽「それより!!何でグランを吸収していないんだよ!!」
サザン「ですね?私との約束でもあった筈ですが?」
美菜「約束って何?」
サザン「私が亀太郎君達を地球に戻す対価として、豹牙はグランを吸収する事、それが条件だったのです」
美菜「へェ∼···2人で協力してじゃなかったんだ」
サザン「私がグランと?それは絶対に有り得ません」
爽「ハハハサンは頑固だからなァ」
サザン「えェ、筋金入りの頑固者です」
美菜「どォやって3人を地球に戻したの?」
サザン「回復した力で新たな柱を作り、地球へと送ったのです」
美菜「それが加奈の墓石にって事か、って事はサンはまた力を失ったんだ」
サザン「いいえ、グランやバルからヒントを頂きましてね?私の魂を新たな命に寄生させ、地球で回復していたのです」
美菜「ん?新しい命って何?」
爽「亀太郎(きたろう)と楓(かえで)ったらさァ、もォ地球には帰れないって思ったらしくてね?ここで子孫を増やそうォとしていたんだよ」
美菜「へェ∼子孫をねェ······えェ!!楓ちゃん妊娠して······はァ!!亀太郎と!!」
爽「アハハ驚くよね?」
美菜「ハ···ハハハ···全くあの2人は······ん?って事はあの手紙の太陽(たいよう)ってのは」
サザン「えェ、2人の子供です、私は子の身体に寄生し、回復をし、そして新たな力を得てから彼から離れたのです」
美菜「ふゥ∼ん···で?豹牙は何で約束を守らなかったの?」
グラン「俺達は共闘を選んだんだ」
美菜「共闘を選んだんだ···って格好良く言ったって、約束は約束なんじゃないの?」
グラン「そォだな?」
美菜「あら?開き直り?」
グラン「そォ捉えて貰って構わない」
美菜「ですって、孔(こう)の事は龍兄(りゅうにい)から話しは聞いていたけど、本当に人の意見は全く聞かない人だったんだ」
サザン「困った人ですね?」
爽「本当だよ、全然変わってないや」
美菜「理由(わけ)は話せないの?」
グラン「あァ、悪いな?」
美菜「だってさ」
サザン「それで私と爽が納得するとでも?」
美菜「まァいいんじゃない?別にさ、大した事でも無いよ」
サザン「ミーナ?」
爽「どォしてなんだよ!!重要な事じゃんか!!」
美菜「私が居る、2人が一体化していないんなら、今の私でも十分足りるわよ?それに私はまだ目醒めてさえいないのよ?」
グラン(矢張り裏切りは気付かれていたか···サザンの奴か)
サザン「そォですが···まァミーナがそォ言うのなら私は引きましょう···では今後の事に付いて話しを始めますか」
グラン「悪いな?爽」
爽「フン!!···ん?」
美菜「ん∼∼」
爽「何だよジロジロ見てさァ」
美菜「何かさァ···さっきは気付かなかったけど、雰囲気変わってない?」
爽「エヘヘ気付いた?」
美菜「ん∼∼何か力強くなった様なァ」
グラン「そォなのか?爽」
爽「·············」
グラン「参った······完全に嫌われてしまった」
美菜「当然でしょ?自業自得なんだから諦めなさい」
グラン「美菜から説得してはくれないか?」
美菜「残念ね?自分で何とかしなさい」
爽「ねェねェ美菜」
美菜「ん?」
爽「僕って他にどんな風に変わった様に見える?」
美菜「ん∼∼そォねェ·········うん、分かんない」
爽「あらら···何それ」
美菜「ハハハゴメね?」
サザン「ウィザーダになれたのですね?」
爽「まァね?」
グラン「そォなのか!!」
爽「·············」
美菜「アハハハハ暫く黙っていれば?」
爽「そォそォ黙っていれば?」
サザン「ハハハそォですね?爽の機嫌が直るまでは仕方ないですね?」
グラン「······そォだな?」
美菜「それで?本当にウィザーダになれたの?」
爽「そォさ、大変だったんだよ?1人でレベル上げるのはさ、苦労したけどね?無事ウィザーダになれたんだ」
美菜「おめでと爽」
爽「サンキュー美菜」
美菜「ねェ爽?そろそろ私の事はミーナって···ヤッパいいや、もォそんな歳じゃないし」
爽「歳って言ったって今でも十分若いってか、昔のまんまじゃん」
美菜「見た目はね?この指輪のお陰なんだけど、私もォ45だよ?」
サザン「今の身体の年齢は20歳ですよ?」
美菜「ん?そォなの?」
サザン「えェ、その指輪は成長のスピードを著しく遅らせるのです」
美菜「だからこのグラン•バルに居る事が······今が20歳ならァ······7年に一度歳を取るって事か」
サザン「そォ言う事です」
爽「いいじゃん!!僕は皺々のミーナなんか見たくないよ」
美菜「ウフフありがと爽、大好きよ?」
爽「それって」
美菜「勿論友達としてね?」
爽「だよねェ∼∼」
グラン「そろそろ本題に入らないか?」
爽「·············」
美菜「シィ∼∼ン」
サザン「ですね?」
グラン「サンまで······参ったなァ」
美菜「自業自得」
爽「そォそォ自業自得」