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『小説』永遠に宇宙に~さよならは言わない~ 終章 第12話

グラン「初めて来たが……何て場所だここは、正に太陽って所か……こんな場所に何日も、無事でいてくれ」
ダダダダダダダダ
グラン「キ、キツイ……灼熱とはこの事を言うのだろォ……凰華…どこに居るんだ」
ダダダダダダダダ
グラン「足が焼けそォだ…呼吸も苦しい、喉が焼ける……意識が飛びそォだ、こんな過酷の中……早く見付けな………あれは足跡!!凰華のだ!!」
ダダダダダダダダ
グラン「いた!!凰!…ケホ、コホッ…声が出せない」
ズル…ズル…ズル……ドサッ
グラン「拙い!!倒れた!!げ、限界が」
ダダダダダガバッ
グラン「凰華!!ケホッ大丈ケホ」
凰華「い、嫌ァ~~!!来ないで!!く、黒い……助けてお兄ちゃ…………」
グラン「しまった、服を戻すのを忘れていた」
凰華「………兄ちゃ」
グラン「は、早くこの場をケホ、ゴホッ」
グラン(背負って行くしかないか)

凰華「………ん…ケホ………コホッ」
グラン「気が付いたか」
凰華「こ、黒いローブ!!嫌ァ!!離して!!降ろして!!助けてお兄ちゃん!!」
グラン「落ち着け凰華、俺だお兄ちゃんだよ」
凰華「え?……その声…本当にお兄ちゃんなの?」
グラン「大きくなったな?久し振りに背負ったが」
凰華「本当にお兄ちゃんだ……ありがとォお兄ちゃん」
グラン「無事で良かった、これから赤の柱に行く、お前はその中にいて体力を回復しろ」
凰華「ねェお兄ちゃん?」
グラン「色々と聞きたい事があるたろォが後で龍から聞くんだ」
凰華「嫌!!お兄ちゃんの口から説明して!!」
グラン「歩けるか?」
凰華「この儘がいい」
グラン「分かったよ、だがこれから話す事は驚く事ばかりだが全て真実だ、だから信じて受け入れろ」
凰華「分かった」

凰華「そォだったんだ……龍って日本人だったんだ、子龍ねェ」
グラン「今まで通り龍って呼んでやれ」
凰華「そっかァ……私とお兄ちゃんって本当の兄妹じゃなかったんだ」
グラン「ショックか?」
凰華「別にィ、血の繋がりだけが兄妹って訳じゃないでしょ?」
グラン「まァな?」
凰華「ねェお兄ちゃん」
グラン「悪ィな?俺はもォ地球では死んでいるんだ」
凰華「知ってる、ねェグランさん?」
グラン「…………………」
凰華「お兄ちゃんを宜しくお願いします」
孔『フフ、最高の妹だろ?』
グラン「あァ」
凰華「当然でしょ?」
グラン「凰華、上野のお兄ちゃんの仮宿に行け、机の引き出しの裏に倉庫の鍵と地図がある、お前と龍の生活費には充分足りるだけの金がある、それを持って中国に帰るんだ」
凰華「ありがと、パパとママに報告は?」
グラン「任せる、さァ着いたぞ?降りろ」
ストッ
凰華「ありかとね?お兄ちゃん」
グラン「お前が戻れる様に何とか頼んでみる、それまで我慢してろよな?」
凰華「誰に頼むの?」
グラン「この騒ぎの元凶にだ」
凰華「この騒ぎの元凶って誰?」
亀太郎「あのォ」
グラン「亀太郎君、妹を頼んでもいいか?」
亀太郎「はい!!命に変えても守ってみせます」
グラン「悪いね?楓ちゃん」
楓「ううん、私と亀太郎に任せて下さい」
グラン「君達が無事に戻れる様に俺が何とかしてみせるから、それまで耐えてくれよな?」
楓「はい!!ありがとォ御座います」
亀太郎「お、凰華さん!!足にリングが!!」
楓「グランさん、指輪は」
グラン「凰華、これからお兄ちゃんがやる事に一切疑うなよ?」
凰華「今まで一度も疑った事無いから大丈夫」
グラン「そォか、ならこの指輪を右手の人差し指に嵌めるんだ」
スッ
凰華「嵌めたよ?」
グラン「よし、足枷を外すぞ?」
凰華「うん」
ガチャガチャ、ゴトン!!
グラン「これで大丈夫だ、後はこの中で体力を回復してろ、お兄ちゃんはまだやる事がある」
凰華「うん、行ってらっしゃい」
亀太郎「凰華さんは任せて下さい」
凰華「お兄ちゃん、最後にハグして?」
グラン「そォだな?孔として居るのもこれが最後だからな?」

美菜「ねェニーナ」
ニーナ「ん?な、何よ、怖い顔して」
美菜「一旦森を出ない?」
ニーナ「まァ近くだからいいけど、どォしたの?急に」
美菜「ニーナは感じないの?この物凄く嫌な気配を」
ニーナ「嫌な気配?…………うん、感じない」
タタタタタタ
美菜「森の中全体に広がっているのよ、何か今までと違うのよ、見て?」
ニーナ「うわァ!!な、何この森」
美菜「ヤッパ感じた通りだった………今までよりも森の中が暗くなってる」
ニーナ「凄いね?」
美菜「うん」
ニーナ「ミーナがね?」
美菜「はい?私?」
ニーナ「だってずっと一緒に居たんだよ?だけど全然気付かなかった」
美菜「ん~~多分だよ?私って皆と少し違うのかもしれないんだ」
ニーナ「違うって?」
美菜「サンの思いって言うかさァ、念…違うか、何かそんな感じのがまだ私の意識に残ってて…だから黒い戦士の気配に直ぐ気付いたり、サンが黒い戦士に姿を変えていても分かっちゃうんだ」
爽「お?やっと分かったんだ」
ニーナ「キャァ!!……な、何だ爽か」
美菜「何しに来たのよ」
爽「相変わらずクールだねェ君は、それより時間だよ?君達は祭壇を目指してくれ」
美菜「分かった、じゃァニーナ行くわよ?主役が2人も遅れる訳には行かないでしょ?」
ニーナ「う、うん」
美菜「私の側から離れなければ絶対に大丈夫だから」
ニーナ「爽は?」
爽「サラの所に行くよ」

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