『小説』永遠に宇宙に 完結編 ~さよならからの始まり 絆は永遠に~ 二章 決行 第 9話
デウス「戻ったかデット」
デット「無事でしたか」
デウス「無事?···あァバルの事か、奴なら戯言をほざいて出て行ったわ」
デット「バル?バルがここに来ていたのですか?」
デウス「む?お前の心配はバルでは無かったのか?」
デット「お気付きにはなられていませんでしたか、今この星とアマリスに我々の強敵となる者達が続々と来ています」
デウス「来ている?どこからだと言うのだ?」
デット「恐らくグランが向かった所からだと思います」
デウス「強力な氣を感じたと言う事か···奴は私を裏切り敵を連れて来たのだな?」
デット「それはどォでしょォか」
デウス「ん?違うと言うのか?」
デット「正確には分かりません、何せグランの姿は今だ確認が出来ていませんので」
デウス「まだ疑うには早いと言う訳か」
デット「そォとも言えませんが」
デウス「何かあるのだな?」
デット「はい···ガイムから聞きましたが、サザンが生きていたと」
デウス「何だと!!サザンならアカシアが······嘘だったと言うのか?」
デット「はい、妹がアシュリーとポプラと共に行動していたと部下が言っていました」
デウス「アカシアとポプラ···成程な?私は父の策にまんまとハメられたのか」
デット「私にはそォとしか」
グラン「サザンですって!!真逆!!サンがサザンだったのか」
デット「グラン!!何故お前がここに」
デウス「いつから居たのだ?」
グラン「つい今しがた、この城に大きな氣を感じましたもので」
デット「私の氣を感じたと言う訳か、ウィザーダになったと言うのに氣を探る能力は足りない様だな?」
グラン「まだ成り立てにて申し訳ありません、ですがサンがサザンと言うのならあの強さには納得出来ます」
デウス「ふむ、お主は共に向かっておったのだったな?」
グラン「はい、少し話しても?」
デウス「うむ、お前が得て来た事を全て話せ」
グラン「はい、先ず私とサンそしてバルの3体で向かった先は、青くとても力強いエネルギーを持った星のある太陽系と言う銀河でした」
デウス「その地球と言う星から来た戦士がそれ程来ていると言う訳か」
グラン「怨皇と言う者の存在はとても厄介でして」
デット「我々と同じ融合と吸収が出来る」
グラン「デット様は知っておられたのでしたか」
デット「一度会っている、それとガイムの話しではガボットが吸収されてしまったと言っていた」
デウス「その人間と言う者も融合と吸収が出来るのか?」
グラン「いいえ、力は強大ではありますが宇宙(そら)へ行く事は出来ません」
デウス「力だけか、ならば融合の出来る我々が力を増幅させれば幾らでも対抗出来るな?」
デット「えェ、問題は怨皇となる者ですね?融合と吸収が出来るとなると奴の力は無限」
デット「ふむ、ではグランは敵の情報が良く分かっている、この私の傍に終始居るが良い」
グラン「で、ですが私は怨皇の事は良く分かっていますので、私が怨皇を」
デット「黙れグラン!!王の命(めい)だぞ!!」
グラン「も、申し訳ありませんでした」
デット「ガイムよ、おぬしあわ良くば己が怨皇を吸収しこの国を我が物となど」
グラン「め、滅相も御座いません!!私は王の為に、この国の為にと」
デット「その言葉に嘘は無いな?」
グラン「はい!!生まれし時から今でも忠誠は変わらずに」
デウス「そォか、では我々もそろそろ動くとしよう」
デット「どこへ向かいますか?」
デウス「王が戦う相手と言えば敵将しかおらぬだろ?この国に王は1体で十分だ」
グラン「し、然しソルと共に居るのは美奈ですので」
デット(む?何故その事を知っている)
デウス「その女はお前が恐れる程強いと?この私よりもと申すのか?」
グラン「お言葉ですが美奈の力は強大、怨皇よりも遥かに上です、今のデウス様よりも上かと」
デウス「フフフ、私がただ大人しくこの城で座っていたと思っていたのか?」
グラン「と申しますと?」
デウス「おぬしはウィザーダの上があると考えた事は無いのか?」
グラン「ウィ、ウィザーダの上······ですか」
デウス「ハハハ考えてはいなかったか」
グラン「で、ではデウス様はその域に」
デウス「それを確かめに行くのだ」
デット「ヤム様はどォするのですか?」
デウス「1体で城に···か、まァ良い私が出る事で他の者は城には誰もおらぬと思うだろう」
デット「王!!美奈と言う女の許に新たな強い氣が2つ」
デウス「分かった···グランよ力は上げて来ているのだな?」
グラン「はい、以前よりも遥かに強く」
デウス「うむ、ではその力見せて貰うぞ?」
グラン「畏まりました」
デウス「デットよ」
デット「はい、分かっております」
デット(ガイムよ、ボロは出さなかった様だがお前の考えなど見え透いておるわ、力が強い者同士の吸収には一時的に間が生じる、更に吸収直後から力を得るまでには暫くフリーズしてしまう、その時を狙い貴様の核を頂いてやるわ)