『小説』永遠に宇宙に 完結編 ∼さよならからの始まり 絆は永遠に∼ 二章 決行 第11話
サザン「有衣さんどォですか?」
有衣「駄目です、さっきは感じたのですが」
ヨキ「私より感覚が鋭いですね?」
有衣「そ、そんな事···ヨキ様のアドバイスがあるからです」
サザン「ではこの辺りを虱潰しに探してみましょう」
有衣「た、大変!!」
サザン「ん?どォしました?有衣さん」
有衣「さっき散らばったジストー達がまた集まってこっちに来ます!!」
ヨキ「アナタ!!宇宙(そら)からも」
サザン「この氣は怨皇!!···バルの氣も······それに他にも幾つかこちらに向かって来ていますね?」
香瑠羅「サザンさん、どォするニャン?」
サザン「アナタ達はこの星から向かって来るジストーを任せてもいいですか?」
香瑠羅「それは構わないニャン···でも」
サザン「私達は大丈夫です、これでも怨皇に対抗する力はありますよ?」
ヨキ「アナタ、ヤムが来ます···それにアシュリーとアカシアも」
サザン「なんですって!!それではエアリスにはソルとポプラしか」
亜利愛「心配無用」
香瑠羅「そォニャン、あっちには龍ニャン達が居るから平気ニャン」
真「なァ、ちょっといいか?」
香瑠羅「駄目ニャン!!お前が口を出すと話しがややこしくなる」
真「う!!」
亜利愛「真、説明」
香瑠羅「亜利愛ニャン」
亜利愛「真」
真「あ、あァ···話し聞いててな?バルって人がこっちに向かってるって事は、龍の兄貴達もこっちに来るって事じゃねェのか?」
香瑠羅「あ······そォニャン」
真「って事だとあっちに居んのは美奈さんと獅牙さんと虎の兄貴なんじゃねェのか?」
香瑠羅「だ、大丈夫ニャン?」
サザン「そォでした、ミーナが居るのを忘れていました、ならあちらは何の問題もありません」
真「え?美奈さんが居ればって···マジで?」
有衣「来ました!!」
シュタタタタ
ヨキ「え?柱からも誰か来ましたよ?」
香瑠羅「ん?あの飛んで来た黒いのって···あれが怨皇ニャン?」
有衣「柱から来たのってアシュリーちゃんだ、優司君も?あれ?兄と龍牙さんは?」
香瑠羅「可笑しいニャン、何で龍ニャンが来て無いニャン?」
サザン「これは一度合流した方が良さそォですね?」
有衣「怨皇と思われる人が速い!!」
サザン「先に行ってて下さい、怨皇は私が止めます」
香瑠羅「あちゃ〜···ジストー達があんなに沢山来たニャン」
亜利愛「全員対抗!!」
香瑠羅「分かった!!有衣ニャン絶対離れるんじゃ無いニャン!!」
有衣「うん!!」
亜利愛「真!!」
真「任せろ!!俺が守ってみせる!!」
亜利愛「力戦奮闘(りきせんふんとう)」
真「あ?何だそりゃ」
香瑠羅「行くニャン!!」
有衣「キンタさん!!今のは」
真「何でもいいよ!!とにかく力尽きるまで戦ってやる!!ぜってェ俺から離れんなよ!!」
有衣「う、うん······キンタさん少しずつだけど、亜利愛ちゃんの言葉を理解して来てる」
シュタタタタ
アシュリー「優司さん!!敵があんなに!!」
優司「アシュリーちゃんはヨキさんをお願い!!俺はサザンさんの援護に行くから!!」
アシュリー「分かりました!!」
シュタタタタ
ヨキ「ヤム···暫く姿を見せなかったアナタが何故ここに来たのですか?」
ヤム「姉さんの核を貰いに来たからじゃない、お気楽に話しでもしに来たと思って?」
ヨキ「目的はそれだけ?」
ヤム「まァそれは過程ね?私の目的は姉さんを吸収し、力を得てからサザンも吸収する、そしてデウスと新しい国を作るわ?」
ヨキ「そんな絵空事が本当に出来るとでも思っているの?」
ヤム「出来るわよ、あの怨皇って奴を上手く操ればね?」
ヨキ「そんな簡単に行くかしら?」
ヤム「簡単よ、私が姉さんを吸収してしまえばね!!」
アシュリー「ヨキ様!!」
シュタタタタ
ヨキ「アシュリー、何故ここに?」
バル「あれ?何でヤムがここに居んの?」
アシュリー「え!!はァ?ね、姉さん!!い、いつの間に···全然気付かなかった」
バル「あらら、アシュリーったら随分呑気な事言っちゃって」
アシュリー「だって···姉さんの速さ異常だよ?それって前より強くなったって事でしょ?」
バル「そォね?アンタと約束したからさ、それにしても随分騒がしい星になっちゃった事で」
アシュリー「姉さん···私達って」
バル「心配?私やサザン様が居るってのに?」
ヨキ「そォですね?強力な助けも沢山居ますから、この戦いは必ず終わりますよ?」
ヤム「バル······何故、何故アナタはさっきよりも強くなっているの!!」
バル「ん?あらヤム居たの?ちょっと会わない内に随分弱くなったじゃない」
ヤム「この私を愚弄すると言うのですか!!」
バル「あら?分かってなかった?じゃァお怒り序に私を斃せば?まァ無理だけど」
アシュリー「ちょ!!姉さん!!」
バル「アンタの野望は分かんないけど、そろそろクライマックスなんじゃない?」
ヨキ「バル、油断や過信はいけませんよ?ヤムは決して弱くはありませんから」
バル「ヨキ様安心して?これは過信じゃなくて自信だから」
シュタタタタ
優司「サザンさん!!平気ですか?」
サザン「アナタは?」
優司「俺は屋中優司です」
サザン「ミーナの···やなかと来ましたか、どォやらアナタは偏屈ミーナの息子ですね?」
優司「偏屈って···ヤッパそォなんだ」
サザン「優司さん、アナタは一刻も早くミーナの所に向かって下さい」
優司「ハハハ、本心は行きたいですけどね?今行ったって母さんに叱られるだけですから」
サザン「成程···あれだけ離れていても母の事はと言う事ですか、分かりました、では協力をお願いします」
優司「はい」
バル(あの人の氣······真逆なァ)
バル「アシュリー?ちょっとここ任せてもいい?」
アシュリー「え?」
バル「ちょっと彼と話しがしたくてさ」
ヨキ「行きなさい、ここは私とアシュリーで十分てすから」
バル「ありがとォヨキ様」
シュタタタタ
亜利愛「香瑠羅!!」
香瑠羅「ニャン?」
亜利愛「ヨキ」
香瑠羅「あ!!亜利愛ニャンここ任せるニャン!!」
亜利愛「了承」
香瑠羅「キンタ!!確り有衣ニャンを守れよ!!」
真「分かってらァ!!」
シュタタタタ
怨皇「クッ···バルまで来るか、面倒だな···今は話しは出来ぬか」
怨皇(それに美奈の息子に手は出せぬ、アイツがキレて目醒でもされたら全てが終わる)
シュタッ
バル「サザン様、何でサンなどと名前を変えたんですか?せめて私にだけは話してくれてても」
サザン「黙っていてすみませんてした、色々と考えがありましたし、それにはバルさんは納得出来ない事も含まれていましたので、それにグランに私の正体が知られるリスクも下げたかったもので」
バル「成程ね?そしてヤッパグランは敵だった」
サザン「今は何を考えているのかは分かりませんが」
バル「どォ言う意味てすか?」
サザン「まだ豹牙を吸収していないからてす、それに何だか誰もが敵の様に感じていますので」
バル「誰もが敵?」
サザン「敵の中にも敵、味方の中にも敵がと言う意味です」
優司「それだと誰を信じていいのか分からなくなりますね?」
怨皇(流石サザンだ、この戦いのカラクリに気付き始めたか)
バル「ねェ、アンタ名前は?」
優司「あ、そォでした、初めまして崎谷加奈さん、俺は崎谷優司です」
サザン(先程は屋中と言っていたのに)
バル「あれ?さっき屋中って···じゃァヤッパ」
優司「俺は優也の息子です、アイツは加奈さんが亡くなった後養子に入ったんですよ」
バル「ハァ···何で私が死んだってのに養子になんか···そんで結婚して子供まで作って、そんで息子にはアイツ呼ばわりされてるなんて」
優也「アナタのお墓は別荘の岬に建ててありますよ?」
バル「はい?あの岬に?」
怨皇(今なら逃げられるか?···上手く隙を突ければ···クソ、サザンの監視が邪魔だ)
優司「何でも母が絶対にここにしなければ駄目だと祖父に強く言ったらしくて、あの場所はアナタに取って何よりも大切な場所だからだと」
バル「何でその事を···それを知っているのってお祖母ちゃんと······え!!嘘でしょ!!アンタの母親って」
優司「はい、俺の母親は美奈です」
バル「マジで?······何であの2人が」
優司「どォしました?」
バル「アンタ!!今直ぐ地球に戻りなさい!!」
優司「え?そ、それは出来ませんよ、柱は片道ですし俺は母さんを」
バル「柱は私が何とかする!!それにアンタなんかミーナの助けになんかならないから!!足手纏になるだけだから帰れって言ってんの!!誰よ!!こんな奴をこっちに······ハァ、爽か」
サザン「バル、気持ちは分かりますが今は目の前の敵に集中しませんか?」
バル「そォね?私とサザン様ならこの馬鹿は守れるか···アンタ!!邪魔になるから下がってなさい!!」
優司「は、はい」