65536ビート　　川柳26句

乗り捨ててサルガッソーにボブ・ディラン

三菱に巨大うなぎを贈られる

情報化社会の織田の線と線

裏門に確定される海胆のあと

フロイトが削ったような削りぶし

鳴き砂の鳴くまで劣化コピーとる

つくば市に減点されたひばり鍋

第六の詩人が破損した湿布

脳内の麻薬かくして梨を食う

雨のおと東北道で餅つけば

コンコルド広場に葱を捨てて待つ

糸をみな共栄圏のなかつむぐ

着歴の木戸孝允の霊喚んで

連座する鎌田敏夫のカンガルー

軍港の夏のおわりがはじまりぬ

閉店の東急ハンズ製の盾

善人のふんころがしを縦に読む

油圧にて高知東生を吊り上げる

ピザまんの形容詞まで霧のなか

海岸に換喩をしない武蔵丸

町じゅうの巨大螢が眠る日は

パ・リーグを遠く離れるまぐろ船

投げなわに蠅のぶつかる死の記録

塩おおき衰弱都市で飼うコブラ

さすまたをまず記憶から偽造中

贋物の吉田茂に遣る鸚鵡

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