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キャッチ・アズ・キャッチ・キャン(西瓜糖の日々)  川柳66句

佐幕派のスポーツマンと谺する

食前の儀式に脳を地へ下ろす

カネボウに海野十三の線あてて

杜子春の同窓会誌待つ世紀

ビューティフル・ドリーマーから高低差

王侯のポケットを出る短歌会

感覚のブルドーザーに石野真子

豚吉が卓球場を出てゆく日

新章にアリバイ造るへびつかい

豚まんの目視をされる斜陽館

春遠しミス・マープルの犬歯抜け

稟議書をサラダ饅頭だと想う

金八の幻聴つづく冬囲い

島じまに冬の幼虫死んで居る

義経の数を数える大脳湯

生きてゆく気孔そのもの胸に空け

鰓失くすローマ字日記ひらきつつ

焼豚を田中康夫が墓に彫る

おがくずに世界内部の火を点ける

天気図をハンナ・アレント置換せず

一切とわかめ屋敷がする自転

連想のニコラ・テスラの長い季語

ジュリアナに触れた叉焼大事典

カネゴンの繭にて想う延喜式

色即と是空がボケてツッコむ夜

掃除夫が昼の世界に書く詩歌句

短詩詠む中野学校での無尽

被験者とロマンポルシェ。を語り合う

キャプテンの湖に撒く濡れおかき

論理無き句にあらわれる蘇我氏族

ボブたちが貝塚の上汚職して

フォースにて抱擁家族さらに抱く

字義のもとルーズベルトが自縛して

草枕フランチェスカが厨子を買う

眼の前の虚体をつつむ冬アロハ

ラッセルのパラドクスから大句会

誤認するスヌーピー像西を向き

雪闇に畑正憲が自愛する

靴下と長靴下の差に世界

銀河から降ってきた酢に酢の彩度

にんげんが嫌いじゃが芋素数成し

フラメンコ・ギターを水木止揚して

超自我のなか党員に歳暮るる

かぶとがに呪物信仰者の床に

鱈を切るアマノン国に受刑して

対流にナンバ走りで近づきぬ

夜学者がカウントされる午後世界

知性体みんなあつまれ浅草寺

虫絶えて島田兄妹ひかりあう

タンタンをコールスローと思う禅

大寒波湯川博士の筋肉美

寒波来て鶴亀算のコード読む

アルバイト探偵の掘る二枚貝

文字起こし滋賀県霧のなかの死よ

揚げ餅とコールタールの経度換え

霜柱マザー・テレサの念力に

銀で買うユルスナールと同じ塔

チェ・ゲバラを糠床に置く象徴詩

チェーホフと名付けをされた象の死よ

中心に零の象置くわが故郷

天丼の天の光はすべて星

雪の前巨人兵士のガチャを引く

手淫する瞬間ごとの根深汁

ボナパルトあつめ恋愛小説家

冬が来て宮尾すすむの霧の旗

勘で貼るドリー・ファンクの千社札


#川柳 #現代川柳
#創作 #架空の本棚 #詩歌 #文芸 #キャッチアズキャッチキャン #ブローティガン の贋作

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川合大祐
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