日本沈没 川柳38句
島抜けのあとのプリンが固まった
人としてジップロックを踏む舞台
重力で古墳へ落ちてゆくはるみ
弁当屋まで冪乗のあゝ荒野
スラングによれば地蔵と逆に立つ
陰膳と田中邦衛の宇宙服
イド多き競馬新聞切って貼る
母の星コールタールを社歌に入れ
総会屋たちのぶらんこまだ軋み
野外でのキシリトールにとどまらず
喩としてもバナナとしても居るイタコ
童貞の共同体の茶碗蒸し
頂上の便所で叫ぶみんなしね
無動詞の冥王星が簿記だらけ
人類に火を信長のハンバーグ
杜甫ならぶ月面都市の古本屋
ゲド戦記中に吊られる烏骨鶏
獄卒の体調面がチェッカーズ
次男から以下のだんごが夢遊病
競売の番号を振るじゅんとネネ
魔術師が煮カツを切ってしまうまで
おっちゃんの六角形を描く頻度
ガン・マンが葡萄を買った蒲田駅
山の日に殺し屋が作曲をした
Pythonが菊池桃子の池を炙る
ネタ卸しやや鮫肌のヘプバーン
臥牙丸の気配に餅を裏返す
シベ超が辺縁系に在る限り
オランダのミートソースで自虐する
チコの実で表現された高円寺
宇宙船溶解前のボスの声
小和田家の卓球台に隷書体
肉屋にもピノコが居ない真夏の日
肉体の悪魔の前の三槓子
定規屋にくるしんでいる鯰とり
住友を彫られた腕のバタフライ
蝶の死とマリオと同じ哲学者
ひかがみが十六世紀以降無い
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