さよなら人類　　川柳28句

軍閥のラジオネームが湯葉ごはん

釣り堀に同級会の幹事像

聖五月はじまりおわる象撃てば

怪獣のいるところから島津亜矢

台形の井出孫六を納屋に立て

情報の過剰な県にオウムガイ

ＨＡＬの眼に列車が静止しているが

まないたを煮るが戦争小説家

這いよればとんかつの在る香川県

村医者の体言止めが多い初夏

Ｘのアーチを含め揚羽蝶

箱のまま時間を停める薬箱

味の素本社に味蕾ロボ錆びて

ねりけしを正義の車掌ふり回す

おとななり縮む宇宙の木戸修

ＤＨＣに三点倒立す

アシモフが競馬新聞捨てる都市

密教をタケコプターと読みかけた

物理学上の分身する茶人

音通りバスが爆発する祇園

カッテージチーズのために原子の炉

地球儀をバールのようなもので溶く

エド・ウッド映画はじまる暗記の日

帝王が居た宇宙からとんがらし

ダリが立つなにも歪んでいない国

漢文字を錯乱坊と読め世界

白塗りの哲学者らを化石させ

「變身」が書かれた年のネバダ州

#川柳 #詩歌 #文芸 #創作 #詩 #上京前日