
さらば京都 川柳28句
サーファーのバケツの前にあった古都
朝まだきオレンジジュース搾る職
次元換え鏡にこびりつくほこり
キドカラー川柳論をたたかわす
ガロを置く創業二年目の本屋
みうらじゅん以外が鳥の卵呑む
西院の抽象物がつづく路地
チューリング・テスト
八ツ橋だと
(答え)
正答のない都市に居る薔薇を剪り
らくだ忌のカミオカンデの外が晴れ
団子屋が貼った全敗する団子
水虫のらっこを捨てる国道へ
雑俳の時間のなかでふたりきり
壬生屯所までがマーボー茄子でなく
嵐電の二度と走らぬ虹の国
灰汁を取るTVの中のタイガース
京都府にバベルの塔を建てたまま
五大湖を忘れてしまうさだまさし
関西のCM前で正座する
魯山人これが体言止めなのか
故里と故里にあるガンマ線
池で飼う分子を持った水棲魚
分銅をつかってホテルから追われ
ガスの無い製菓会社の火焔土器
金網の外(か内か)で湯葉もらう
ローソンの人間による錆を取る
くさりがま四本五本もある都
抽象のらくだに晴れてゆく京都
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