
AI vs 教科書が読めない子供たち 学び・感想
こんにちは、八番です。
2/12にタイトルの本を読み終わりましたので思ったことなど書いていきます。
読んでいていろいろと思うことはありましたが、とりあえず私も読解力がない人だったことがわかりました。
最新のAIであるChat GPTにも一部問題を読んでもらいましたので学びの章をご覧ください。
タイトル・出版年月日
タイトル:AI vs 教科書が読めない子供たち
出版年月日:2018年2月15日
読んだ媒体・読書時間
Kindle Unlimitedで読みました。
読み終わりまで2時間半かかりました。
内容に問題がありましたのでそれを考えていたら結構時間がかかりました。
全体のテーマ:AIによってシンギュラリティは起きないが仕事は奪われるので読解力が重要
まず基本的な所として出版年が7年前であるため技術の進歩にかなり差が空いています。
そこまで内容が古くなっているという印象はないですが、現在の状況とは異なっている部分もありましたのであらかじめご理解ください。
本書におけるシンギュラリティの定義
シンギュラリティの言葉の通常の意味は「AIが人間の知能を超える転換点、その変化を指す言葉」です。
本書では「人間の一般的な知能と同レベルの知能」を持つAI自体を指す言葉として使われます。
そして2018年時点での想定ではAI技術の延長、今の数学ではそのAIは今の人類が生きている間には誕生しないと結論付けています。
AIが得意な事柄は論理、統計、確率に当てはめて言えることのみで、人間の意識、知能はそれだけでまとめられるものではないとして
人間の脳を数値化できていないから、数学で解を求めるAIは超えられないという逆説的な考え方です。
今の技術の伸びを考えると、シンギュラリティは起きてもおかしくない。
むしろ人間が人間の脳を数値化する前にAIが計算から人間の脳を数値化する未来があってもおかしくはないと思っています。
何も研究していない私が言っても意味はないですが、これぐらいの夢は見させてください。
ホワイトカラーの仕事は奪われる
仕事においても読解力は重要で手順書や会話のやり取りなどで使います。
ただ、AIが市場に出てくると読解力がない人は劣っているため職を奪われるようなことはあるとされています。
AIに代替されない仕事を見つけ出して働くことになりますが、その時に少しでも良い仕事に就くためには読解力が必要になるとしています。
学び
ほぼすべての本に何かしらの学びがあるのでこの章は何かしら書きます。テーマの内容とは何も関係ないときもありますし、普通にテーマについて書いてある中で学びを見つけられることもあります。
今回の学びは「読解力の無さ」と「大人になった弊害」です。
①読解力がないと感じた問題
本書に書かれていた問題を解いていきました。
おおよその問題は正解できたので捨てたものではないなと思っていたのですがこれから書く2問については回答が間違っているとされていました。
これから書く①の問題は本書に書かれた内容を短くして書いています。
回答を考えてみたい方はここでじっくり読んでみてください。
前提
公園に男の子と女の子がいます。
帽子をかぶっていない子供はみんな女の子で、スニーカーを履いている男の子は一人もいません。
以下について必ずそう言えるものには〇、言えないものには×と答えよ
問題1.男の子はみんな帽子をかぶっているか
問題2.帽子をかぶっていない女の子はいないか
問題3.帽子をかぶっていてスニーカーを履いている子供は一人もいないか
Chat GPTの解答①
以下の問題を考えて回答してください。 公園に男の子と女の子がいます。 帽子をかぶっていない子供はみんな女の子で、スニーカーを履いている男の子は一人もいません。 その場合問題1.男の子はみんな帽子をかぶっているか 問題2.帽子をかぶっていない女の子はいないか 問題3.帽子をかぶっていてスニーカーを履いている子供は一人もいないか
Chat GPTの解答
以下の条件が与えられています。公園に男の子と女の子がいる。
「帽子をかぶっていない子供はみんな女の子である」
→ すなわち、もし子供が帽子をかぶっていなければ、その子供は女の子である。
「スニーカーを履いている男の子は一人もいない」
→ 男の子でスニーカーを履いている子供は存在しない。
これを踏まえて、各問題について考えます。
問題1. 男の子はみんな帽子をかぶっているか考察:
条件2「帽子をかぶっていない子供はみんな女の子」ということは、もし男の子が帽子をかぶっていなければ、その男の子は女の子になってしまい矛盾します。
よって、男の子は必ず帽子をかぶっていなければならないということになります。
回答:
はい。男の子はみんな帽子をかぶっています。
問題2. 帽子をかぶっていない女の子はいないか考察:
条件2は「帽子をかぶっていない子供はみんな女の子」と述べています。
これは、帽子をかぶっていない子供がいるならば、その子は必ず女の子であるという意味です。
しかし、これは「すべての女の子は帽子をかぶっている」とは言っていません。
たとえば、ある女の子が帽子をかぶっていなければ、その子は条件に沿って女の子ですが、存在としては可能です。
回答:
いいえ。条件からは、帽子をかぶっていない子供は女の子であるとしかわかりません。
つまり、帽子をかぶっていない女の子が存在する可能性は否定されていません。
問題3. 帽子をかぶっていてスニーカーを履いている子供は一人もいないか考察:
条件3で「スニーカーを履いている男の子は一人もいない」とあるため、男の子で帽子をかぶっていても、スニーカーは履いていないことになります。
しかし、女の子についてはスニーカーに関する制約がありません。
したがって、女の子が帽子をかぶっていてスニーカーを履いている可能性は残ります。
回答:
いいえ。男の子についてはスニーカーを履いていませんが、女の子で帽子をかぶっていてスニーカーを履いている子供がいる可能性は否定されていません。
まとめ男の子はみんな帽子をかぶっている。
→ はい。
帽子をかぶっていない女の子はいない。
→ いいえ。条件からは、もし帽子をかぶっていない子供がいれば女の子であるということだけがわかるので、帽子をかぶっていない女の子が存在しうる。
帽子をかぶっていてスニーカーを履いている子供は一人もいない。
→ いいえ。男の子はスニーカーを履いていませんが、女の子でそのような組み合わせになる可能性はある。
私の回答は全部×でしたが、問題①は〇が正解だったということです。
男の子は
②大人になった弊害で解けなくなった問題
これは今でも納得がいっていません。
ちゃんと腹が立っている部分も回答の下に書きます。
納得がいっていない問題は以下の通りです。
人100人の平均身長が163.5cmとすると100人全員の身長を足すと16350cmになると必ず言えますか?
Chat GPTの解答②
人100人の平均身長が163.5cmとすると100人全員の身長を足すと16350cmになると必ず言えますか?
定義上、平均とは「全体の合計÷人数」で求められる値です。
したがって、もし100人の平均身長が正確に163.5 cmであるなら、
全体の合計は 163.5 cm × 100 = 16350 cm となります。
ただし、実際のデータの場合、平均が小数点以下1桁などで四捨五入されて報告されている可能性もあります。
その場合、実際の合計は厳密には16350 cmと一致しないことも考えられるので、「必ず」とは言い切れない場合もあります。
まとめると:平均が正確な値である場合:必ず合計は16350 cmとなる。
平均が近似値や四捨五入された値の場合:厳密な合計は16350 cmとならない可能性がある。
私は「必ず」という言葉が出たら絶対に疑います。
必ずというのはほとんどあり得ないからです。
問題として出される必ずはほぼ言われている反対のものが回答となります。
免許を取られている方はわかると思いますが、「赤信号は必ず停車しないといけない」の問題は×が正解です。
緊急性のある車両(パトカーや救急車)は赤信号でも進んで良いからです。屁理屈で腹の立つ問題ですが、そう言われると納得する部分もあります。
そして今回の問題を見てみましょう。
確かに出された数字だけ見ると163.5cm*100で16,350cmとなるのは自然です。
ただ、実際は小数点2位以下の値を丸め込んだ値が163.5cmなので必ず16,350cmが出るかと言われると現実で考えると誤差があります。
なのでChat GPTが書いた平均が近似値や四捨五入された値の場合を考慮すると必ずとは言えません。
そのため×と考えましたが、回答は〇でした。
こちら側の屁理屈ですが、数値がすべて正しいと言えるかどうかは出題者次第ですので、私は信用しませんでした。
子供であれば与えられた値を疑うことなどないはずなので、大人だからこそ間違えた問題でしょう。
本問は大学生の方に解いてもらっていたようですが、正答率が3/4だったそうです。
細かいデータは本書を読んでほしいですが、25%ぐらいは必ずではないと気が付いた人なのではないかなと思っています。
あくまでも正答率のみでの調査のようなので、どのようにして回答を決めたのか、回答に至る過程を書いてもらうようにしたらどこで間違えたのか、どの部分が読解できなかったのかデータが取れるかもしれないなと素人ながら思いました。
感想
本書で一番重要だろうと思う、肝心の読解力の育て方は「調査したけれど相関が見つからなかったからわかりません」と腑に落ちない終わり方だったので何か解決策を見せてほしかったです。
本書の売り上げはすべてその研究のために寄付すると書かれていましたので今後に期待だったのでしょうか。
もう7年経っているので、この方の最新作には研究が進んだ何かを見せてくれているのでしょうか。
機会があったり、この記事が好評なら探して読んでみます。
この記事が少しでもお役に立てば幸いです。
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次回もまたよろしくお願いいたします。
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