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〔詩〕おじいちゃん


父方の祖父に
会ったことがない

遺影のあなたは
かっこいい

スッとした目鼻立ち
意志の強い目

亡くなったのは
父が19才のとき

わたしの娘も
今19才

子どもたちの
これからを
一緒に
過ごしたかった
だろうな

むかし
おばあちゃんから
ききました

学びたかったのに
学べなかったこと

小学校すら
満足に通えず

農作業が
第一で

悔しい想いを
してたって

自分は中学
行けなくて

子どもたちには
教育を
しっかりきっちり
受けさせた

亡くなって
しばらく経った
ある日のこと

通信制学校の
卒業証書を
見つけた家族は
ようやく知った

誰にも言わず
こっそりと
ひとりで
学んでいたんだね

その気持ち
ちょっとわかるよ
おじいちゃん

わたしも好きだよ
学ぶこと

知らないことを
知ったとき

うわぁって
うれしく
なるもんね

何かと何かが
繋がって
ピンと何かが
わかったら

そりゃあ
ますます
うれしいもんね

わたしも学ぶよ
おじいちゃん

楽しく
ワクワク
これからも

いつか
会う日が
来たならば

いろいろ教えて
おじいちゃん

オルガン弾いてね
おじいちゃん

おばあちゃんと
おばさんと
ほかのみんなと
声合わせ

わたしも
歌うよ
あの歌を



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