憧れのメルヘンハウスでわたしの絵本を
日泰寺を後にして、向かった先は、子どもの本専門店、メルヘンハウス。
日泰寺のはなし
子どもたちが生まれてから、メルヘンハウスのことを知り、ずっといってみたかったが、いけないままで、ここまで来てしまった。ふと、それを思い出し、メルヘンハウスの選りすぐりの絵本たちを、自分のために買いたくなったのだった。
講演会などで、お店は不定期に閉まる。SNSで確認してから、いくことにする。ちょうど、カウンセリングで名古屋にいく日に、メルヘンハウスは開店していて、近くの日泰寺も縁日が開かれることを知った。だから、この日にと、決めたのだった。どんな本に出会えるだろうか。期待に胸がふくらむ。
真っ赤な扉を開けると、地下へとつながる階段がある。どうやら、地下が絵本コーナーのようだ。靴のまま、「いらっしゃい」の声を頼りに、恐る恐る、進む。
入り口近くには、セルフラッピングコーナーがあり、包装紙がいつか置いてある。配送用セットもあり、絵本を買ったら、すぐに送れる。こういう気遣いがうれしいなぁ。
階段を降りると、日差しを浴びた、絵本たちがあらわれた。高低差がある土地を上手く利用した建物らしい。庭もある。
壁に、絵本がずらりと並べられている。100冊はあるだろうか。低年齢の本は下の方へ。上にいくにつれ、だんだん対象年齢が上がっていく。大人向けの絵本もある。カラフルな本の表紙を眺めているだけで、楽しい。こんなにあったら、迷ってしまうなぁ。
その部屋には、現在のオーナー、二代目の三輪さんがみえた。ご本人にお会いできるとは思いもせず、カチンと固まった。いや、こんな機会はそうはないはず。がんばって、話しかける。
なかなか来られなかったけれど、ようやく来ることができたこと。今は、小学校の読み聞かせボランティアをしていること。ここで、自分のために本を買いたいこと。怒涛のように、しゃべってしまった。ちょっと、気合いが入りすぎた。
三輪さんに、おすすめの本をきいてみる。自分のための本、読み聞かせ用の本、その両方を兼ねる本が欲しいと言うと、三輪さんは、迷うことなく、するすると、3冊の本をご紹介くださった。
『海のアトリエ』
丁寧に絵が描かれている。ひとつひとつの絵が語りかけてくるようだ。想いのこもった一夏の思い出が、一緒に体験しているかのように、味わい深く伝わってくる。この話、絵も、とても好きだ。こういう話がかいてみたい。お気に入りになりそう。
『ねぇ どっちがいい?』
これは、読み聞かせ用の本。究極の選択が続く…子どもたちに読み聞かせたら、大盛り上がりだろう。「どれもいや〜」なんて、叫ぶ子もいそうだ。
『いい一日ってなあに?』
いきいきとしたカラフルな絵とともに、いろいろな人のいい一日を一緒に味わえる。どの日も素敵!自分にとってのいい一日って、どんな日だろうって、考えた。読み聞かせたなら、子どもたちも考えるかな?
どの本も初めて出会う本だった。わたしのためのわたしの本だ。しかも、選んでいただいたもの。うれしい!胸に抱えて、しみじみとする。うちに帰ったら、また、ゆっくりと読もう。
緊張しすぎて、絵本を購入したら、すぐに店を出てきてしまった。店内の様子を、写真に撮っておけばよかったと、店を出てから気づく。でも、すぐにまた、店に入る勇気がない。ため息をつきつつ、覚王山の駅に向かう。
駅がどっちだったか、店を出た途端に、忘れた。勘では、こっちと思って歩き始めたが、嫌な予感がする。携帯で確認したら、反対方向だった。やれやれ。
浮かれた気持ちで、カウンセリングに行き、まだ、浮かれていたから、浮かれついでに、ひとりカラオケもしてきた。1時間、気持ちよく、想いをこめて、歌う。
日泰寺、メルヘンハウス、カウンセリングに、カラオケと、その日は、盛りだくさんの楽しい1日になった。まさにいい日!
また、いこう。
そう、自分と約束する。