しあわせ気分
夏の終わりの夕方のこと。
2階の部屋の窓から空を眺めようと、カーテンを開けたら、ベランダの屋根の内側に、一羽の鳥がいるのが、目に入った。わたしに気がついた鳥は、よじよじと歩いて、端っこへ移動する。
スズメくらいの大きさ。
色は…暗くてよくわからない。
逃げないけれど、これ以上見ていたら、逃げちゃいそうだ。
そっと、その場を離れて、考える。
このところ、ベランダの床に、よく鳥のフンが落ちている。同じ場所にいつくも。昼間は、この場所に洗濯物を干しているが、洗濯物にはフンがついたことはない。どうしてだろうなぁ、なんて、思っていた。
そういえば、夜中、ベランダから星を見ようと思い、窓を開けたとき、鳥が慌てて、飛び立っていったことがあった。
ということは、この鳥は、夕方以降の洗濯物が干してないときに、うちのベランダにきて、夜の間だけ過ごしているんじゃないかな。そんな仮説をたてる。
翌日の昼間。明るいうちに、ベランダの屋根をよくよく見ると、擦れたような細かな傷がある場所がある。白っぽくて細かい、羽らしきものもついている。ここで、寝泊まりしてるのかも。
スズメかな?
でも、しっかりと見ようとしたら、逃げちゃうだろう。それに、眠るところを邪魔することにもなるだろうか。それって、自分がその鳥ならば、ものすごく、嫌だ。
別の日、薄暗くなってから、そっとカーテンを開け、のぞく。やっぱり、いるみたい。写真を1枚撮らせてもらう。うーん。写真を見てもわからない。気になるけれど、まぁいいか。
わたしの眠る部屋の外、一羽の鳥が眠ってる。そう思うと、なんだか、うれしい。
しあわせ気分で、おやすみなさい。
〔詩〕星またたく
眠る
ねむるよ
小鳥は
眠る
今夜の
夢は
何かしら
眠る
ねむろう
わたしも
眠る
雲の上では
星またたく