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📕「大丈夫な人」カン・ファギル を読みました。

まず、本屋に行っても
海外文学コーナーに行くことが無かった自分が
1人ではこの本に出逢うことはなかった

そして、紀伊國屋新宿店で
西加奈子さん村田沙耶香さんの対談があることを知らなければ
この本に出逢うことはなかった

お二人の対談の中で出てきた何冊かのうちの一冊だった「大丈夫な人」
そして今でも覚えている
版権とか色んなことがあって日本に来て翻訳された本が面白くないわけがない
との西加奈子さんのことば

私は
大抵のことを完全に正確には記憶できないので
ちょっとことばが変わってしまっているかもしれませんが
このことばは私にとてつもない説得力を与えて
私はをはっとさせた
このことは完全に正解なこと

私は最近は大抵
自分が好きな作者の作品ばかりを読んでいたので
初めての作者の作品は
しっくりくるかというのが読み始めるときの不安に少しある
自分と合う文章か
自分が読みやすい文章か
みたいな

特に海外の作家の方の作品は数冊しか読んだことが無かったからなおさらだった
まず
登場人物のカタカナの名前がいくつか出てくるだけで
あれ、この人だれだっけ?
となる場合も多い

身近にないものを触れること対し
適応能力が低いのだと思う

「大丈夫な人」は
確か村田沙耶香さんがおすすめしていて
村田沙耶香さんが好きな私は
西加奈子さんのことばもあり
読んでみたい!
という衝動になったわけです

なんだか暗そうだなとは感じていたけれど
短編集だったことは購入してから気がつきました

短編ということもあり
登場人物名はカタカナだったけれど数人
そんなに長い名前でもなく
その点では躓かなかった

一番最初の短編を読み終わったとき
元から読むのがとても遅いのだけれど
いつもよりも時間かかって読み終わったのに
結局わからなかった
あの人じゃなかったのか
触れた物はなんだったのか
もしかしたら彼女が?
浮かんだ疑問は解決せずに物語は終わった

全ての短編が
読んでいるときに
暗くなんだか不安で不穏な空気感
のようなものの中にあった

全部読み終わって
あとがきに書いてあった
作者が以前に言った言葉
「内容の結末よりも感情の結末」

たしかにそうだった
内容よりも
感情の方が強く入ってくる作品たち

読み終わった今でも
不穏で不安に揺れ動く彼や彼女たちの感情を
まだ身近に感じている



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