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510○ 夕

「夕」

空が焼けていく
心穏やかな案配を基調とする
寂しげなグラデーションの羽織を
そっと被せる
問答にはもう飽きたと
それとも始めから聞きもせず
私の感情の揺れ具合と
言葉足らずの対話を
物珍しく眺めていたのかな
傘で防ぐことの出来なかった
あなたの心に降った沈黙の雨の染みは
未だに乾かずに
景色を犠牲にしてまでも
雨戸を閉じたあの瞬間
目に見えなくても僕は見えてしまった
暮れていく夕日は
まるであなたの後ろ姿のように
温かくて愛おしくて
どこか切ないのである

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NAKAJI

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