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511○ イツカとマタ

「イツカとマタ」

大人になるにつれ
私の会話の中には
一際気になる存在がいる
それは同じという概念の範囲に
ちゃんと収まっている気がしないのだ
人はまず目に見えるもの
触れられるし薫りに惑わされるものに
透明の証明書を発行するが
どうにも噂の二人には
決めあぐねる平行線の日々だ
会えてもないし温度も分からず
今日も聞いた二つの言葉を
明日へ先延ばしした
そうやっていつかまたやってくるだろう
運命の日
死をもって永遠になるということに
どうして気付かぬふりをするのだ

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NAKAJI

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