【小説】あかねいろー第2部ー 81)準決勝ー前半(2)ー
次のキックオフからも僕らは同じようアプローチを仕掛ける。キックをキャッチすると、すぐには蹴り返さずに、ラックからモールを作ろうとする。けれども、彼らも流石に同じ轍は踏まない。浅岡や一太の持ち出しに対して、厳しく低いタックルを差し込んできて、ゴール前のモールを潰すかのように対応をしてくる。モールをうまく作れないとなると、僕らの選択肢はキックしかない。岡野から小道に出して、小道が22mの少し内側から蹴り込んでいく。
そのキックは、練習通り、後ろに下がっている沖村の前に落ちる