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あかねいろ 第2部

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新チームが結成され、改めて目標は花園!ベスト8チームが、上を見てあがき出します! 第1部はこちら! https://note.com/1331/m/m046bc9fc27cb
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記事一覧

【小説】あかねいろー第2部ー 83)ハーフタイム。勝って泣け。

  ロッカールームに引き上げていく僕らは、決してネガティブな雰囲気ではなかった。沖村に走…

Inokichi
3日前

【小説】あかねいろー第2部ー 82)準決勝ー前半(3)ー

  前半は15分を回る。モールとDG、そして、PGで得点を重ねていくというプランは、はっきり…

Inokichi
11日前

【小説】あかねいろー第2部ー 81)準決勝ー前半(2)ー

  次のキックオフからも僕らは同じようアプローチを仕掛ける。キックをキャッチすると、すぐ…

Inokichi
2週間前
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【小説】あかねいろー第2部ー 80)準決勝ー前半(1)ー

  10月の最後の日曜日。天高く空は晴れ渡る。風は少し北からの微風。絶好のラグビー日和だ…

Inokichi
3週間前

【小説】あかねいろー第2部ー 79)我ら、理不尽をも自らの糧となす

  金曜日の練習の最後には、校長先生をはじめとした面々、運動部の主だった部活の上級生、そ…

Inokichi
1か月前

【小説】あかねいろー第2部ー 78)僕らがすべきことは、過去の振り返りではない

  水曜日にはそれなりに激しいコンタクトの練習をした。特に、タックルの後の争奪戦の部分、…

Inokichi
1か月前

【小説】あかねいろー第2部ー 77)僕らは、僕らだけでラグビーをやっているのではない

 「明日の朝ってなあ」 浅岡が、みんなの頭に去来していた言葉をいう。 「まあ、もらったもの食べながら考えようぜ」 そう言って、コンビニの袋や緑屋のパックを漁る。 「意気込みって言うけど、何話すよ」 小道が現実的なことを持ち出す。 「普通に、俺が出ていって、相手のこと、その相手を必ず倒します、みんな見にきてくれ、でいいんじゃないの」 割り箸を口で割って、その箸をもち、焼きそばに差し込みながら一太がいう。 「でもさ、これって、本気でチャンスなんじゃないかな」 すでに着替えも終えて

【小説】あかねいろー第2部ー 76)応援団

 火曜日の練習の後、応援団の団長の高橋が団員3名を連れてラグビー部の部室を訪ねてくる。 …

Inokichi
1か月前
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【小説】あかねいろー第2部ー 75)作戦準備 ー楕円という形をいかす?ー

 2時間ほどしてから、レギュラー組が集まり、ゲームに向けてのプランを確認する。特に新しい…

Inokichi
2か月前

【小説】あかねいろー第2部ー 74)作戦準備 ー雨乞い?ー

 月曜日の練習はオフで、次の試合に向けてのミーティングをした。  今の県大会での廣岡工業…

Inokichi
2か月前
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【小説】あかねいろー第2部ー 73)こんな自分に、生きている価値があるのだろうか?

 公園の道は、街灯に照らされてぼんやりと白い。200mほど歩き、大きな広場に出る。小さい…

Inokichi
2か月前

【小説】あかねいろー第2部ー 72)続く夢。2通のLINE

  着替えを済ませて、スタンドに上がり次の試合を見る。  第2シードの廣川工業が東地区の…

Inokichi
2か月前
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【小説】あかねいろー第2部ー 71)ラグビーに愛される男

  ホイッスルが鳴ると、僕は空を見上げる。雨は相変わらず強い。でも、この雨の感覚は1度目…

Inokichi
3か月前
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【小説】あかねいろー第2部ー 70)最高のタックル

   SHからSOに向かってボールが出る。今度は10番は少しだけ前に出て、真横のタウファにボールを丁寧に丁寧に渡す。パスをするというより、文字通り、ボールを手渡す。僕らもそこに詰める。ライン間隔はより小さくしている。間を抜かれる可能性は小さい。ならば、彼のする選択はさっきと同じはずだ。  タウファ。彼を倒さずに、彼を乗り越えないで先にはいけない。ここでトライを許せば僕の秋は終わる。僕の高校ラグビーは終わる。沙織、津雲詩音、いろんなものが消えていく。  正面だ。正面から当たるん