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セネカ読書案内【導入編】
約二千年前に活躍したローマの哲学者、ルキウス・アンナエウス・セネカ師匠の名を広める目的で、noteを書いています。これも推し活?
「シロートのnoteはもういいから、ちゃんとした本でセネカについて読んでみるわ」とお思いの方にも、そうでない方にも…
これから、セネカ関係のおすすめ本を、【導入編】【基本編】【応用編】の、三回に分けて、紹介していきます。興が乗ったら、【番外編】とかも書くかも。
セネカ読書案内【導入編】
◆セネカ推しの人たちの本 三選◆
㈠ ローマの哲人 セネカの言葉
2003年に岩波書店から発売され、いまはこちらの講談社学術文庫で入手可能です。
著者は中野孝次さん。『清貧の思想』とかの方ですね。
セネカ愛あふれるエッセイで、読みやすい一冊です。
セネカ師匠の著作、当時は満足できる翻訳がなかったらしく、(もともとはラテン語だが、ラテン語は読めないため)ご自身でドイツ語訳から日本語訳に翻訳しなおして紹介するという入れ込みよう。
古代ローマの時代背景も書かれているし、セネカに限らず、似ていると思う箴言(徒然草とか論語とか)も入っていて、楽しく読めます。
ただし、ちょいちょい「昨今の日本人はなっちょらん」みたいなコメントが入るため、そういうのダメな方はパスするか、そこだけ飛ばしてお読みください。
㈡ セネカ 現代人への手紙
㈠の続編。わたしは古本で入手しました。図書館には大抵あるはず。これもぜひ文庫で復刊してほしい。
元ネタの『倫理書簡集』、いまはセネカ全集で読めるのだけど、これは全集が出る前に書かれており、㈠と同じように、著者がドイツ語訳から紹介してくれているもの。セネカ師匠の一人称が「僕」なのがとても良い!!お分かり頂けますでしょうか…
そして、あとがきも衝撃的。書き上げた直後、友人のすすめで検査を受けたところ、食道がんと診断された。しかし、セネカの教えに慣れ親しんでいたおかげで、動顛せず受け入れることができた、とのこと。リアルに役に立つ哲学、すごい。
㈢人生を〈半分〉降りる 哲学的生き方のすすめ
最初に読んだのはセネカ推しになる前で、その時には別段意識してなかったのですが、再読したら「めっちゃセネカやん…」ってなった本。なんと、セネカで始まりセネカで終わっていました。
著者は哲学者(カントが専門)であり、ほかにもたくさん哲学者や文学者などの言葉が紹介されています。
大学勤めの人間関係めんどくせー、みたいな話や、会いたくもないのに「また会いたいですね」とか嘘つくのやめたい、みたいな話など、悪く言えば自分勝手な著者の話しぶりに、それ分かる!!と感じる人にはとても楽しい読書になると思います。
仕事やリタイアについて考えている人にもおすすめです。
では次は【基本編】にて。セネカ師匠の著作そのものを紹介します。お元気で。