白黒のネオン
思い出を生きる貴方には
聞こえない歌。
夜に叫ぶ月にさえ気が付かない。
ネオン街に置いて来た、
子供たちが手を招く道。
月が堕ちる道と同じ。
砂を掴み海に投げては
音を切り取る風。
最終の電車を見送って
線路の向こう手を招く道。
月が満ちるまで笑っていた。
幸せを貴方に報せよう、
他人のままで。
そして眠ろう。
明かりは一つだけ点けよう、
誰が来ても気が付く様に。
鏡の中では泣ける様に。
思い出を生きる貴方では
聞こえない歌。
川の流れからも逸れた事を知らない。
空き缶を蹴飛ばして歩きながら、
辿り着けない海を目指している。
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