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河原 真宙
2021年7月6日 11:54
朝、夢と現実に彷徨う瞼の裏に夕暮れに生きる蝉の声に目覚める夏の日を見る。手を繋ぎ導かれたのは何処かの海辺か山の中。もしかしたら知らない人の家の前。手を離す前。最後になるはずの交わした言葉に絶望も知らず希望もなくただ頷いただけ。朝、目を開ければ夢の記憶はなく涙の跡、涙の跡を辿っても夜明けの記憶もない。手に残る曖昧な二人からの愛。生まれて来たけど、生きて来たのだろうか。