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わたしの本棚67夜~「寵児」

 大阪女性文芸賞で第20回から33回まで、黒井千次先生と一緒に選考委員を引き受けてくださったのが、津島佑子先生でした。太宰治の娘として、有名ですが、本人は父親の記憶はないとおっしゃっていました。頬から顎にかけての線、面長な容姿は、写真でみる太宰治と似ているなあ、と憧れてみていました。急逝にはびっくりし、とても哀しかったです。

☆「寵児」津島佑子著 講談社学芸文庫 1430円(税込み)

 ピアノ教室の講師をする主人公高子は、離婚して娘と暮しています。娘は家を出ようとしています。体調の変化から、高子は妊娠を確信します。戸惑う高子が男たちとの過去を振返り、自立を決意した時、妊娠は想像だと診断され・・・。生まれつきの「性(さが)」として「母」と「女」の迷いを描いた作品であり、長男妊娠中の執筆であったそうです。

#寵児 #津島佑子 #講談社文芸文庫 #読書感想文 #推薦図書

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