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わたしの本棚90夜~「べニシアと正、人生の秋に」

 貴族の流れをもつイギリス人で英語講師だったべニシアさんと写真家をめざしインド料理店を経営したいた正さんが、京都の北(一条寺界隈)で出会い、バツイチ同士ながら結婚し、大原に家を構えて暮らしました。その毎日の日々を写真たっぷりに綴ったものです。

☆べニシアと正、人生の秋に 梶山正、ベニシア・スタンリー・スミス著 風土社 1800円+税

 人生の秋に、お互いを許し、感謝する。里山生活。目が悪くなったベニシアさんに代わって、今では正さんが家事を担当しているという日常の日日。

 大原の古民家に住み、庭にハーブガーデンや四季おりおりのたくさんの花を植えている。女の子が憧れる生活。そう、そんなに贅沢でなく手の届きそうな生活なので、共感する人が多いと思います。自然と対峙しながら、ていねいに生きる生活です。1950年生まれのベニシアさんは、19歳のとき、インドへ旅行。そのあと、日本へ。鹿児島からヒッチハイクで新宿風月堂をめざす旅。そして、1992年、京都で出会った正さんと結婚します。

 ふたりだけで北岳に登って結婚式をあげている写真は、山の壮大さも相まって、美しいです。

 一方の正さんは、1959年生まれで、写真家を目指して、一条寺界隈でインド料理店を開いて生計を経てていました。前夫とのあいだに3人の子どもがいたベニシアさんと結婚し、ふたりの間にも悠仁くんという子どもをもうけます。そして、大原の古民家を買って、家族で住むのです。自然に囲まれた日常生活が美しい写真で語られていきます。

 ベニシアの庭づくりといって、広大な土地に8個もの庭を所有し、四季おりおりの花を植え、耕します。薪ストーブ、スペイン製のタイルの台所。とにかくおしゃれで(センスよくて)、お金をかけない丁寧な自然との生活が写真とエッセイでつづられており、読み終えて、お二人の家、訪れたくなります。大原に行きたくなってしまう、里山の自然に触れたくなる、幸福感たっぷりの本でした。

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