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わたしの本棚16夜~「首里の馬」

ひとつの作品に対して、選考委員と候補作によって、これだけ評価が異なるものなんだなあ、と今年の芥川賞と三島由紀夫賞の選評を読んで感じました。両賞にノミネートされたのは、「首里の馬」だけでした。芥川賞では、各選考委員の好評価が多く、松浦寿輝氏などは絶賛されていましたが、三島由紀夫賞では欠点をいう選考委員もおり、川上弘美氏は5作品中最下位だと、はっきり明記しています。賞というものは候補作中の相対評価であることを、改めて感じてしまいました。

☆「首里の馬」 高山羽根子著 新潮社 1375円(税込み)

 個人的にはSF的な飛躍があって、面白く読みました。小さな資料館で働く主人公未名子は、インターネットを通じて世界と繋がっています。フィクションとしての沖縄を書いており、資料館で資料をめくっているときに政治や自然災害の記憶がめくられている中で、馬があらわれたりする飛躍は、読んでいて、その馬が不思議と生々しさを感じてしまいました。「破局」と同時に、今年下半期の芥川賞受賞作品です。

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