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わたしの本棚133夜~「決戦は日曜日」

1月7日公開の同名映画のノベライズ本です。本の末尾に映画「決戦は日曜日」の脚本(坂下雄一郎)をもとに書き下したもの、と書かれています。

☆「決戦は日曜日」 高嶋哲夫著 幻冬舎文庫 693円(税込み)

~読んでから観るか、観てから読むか~
昔、映画の宣伝コピーにありました。小説の方は、映画に忠実であり、肉付けした感じです。川島有美は川島昌平のひとり娘で、30歳のときの子で、10年前に妻が他界してから溺愛している、と言った調子で、背景などが詳しく書かれています。選挙戦では、映画で記憶になかった出陣式でクリスマスソングを歌うくだりは、有美は子供たちと歌ったりします。小説も映画も、日本の選挙を風刺しており、世襲制による二世議員、党の公認をとることの意味、不祥事が起こったら秘書が責任をとる仕組み、ひとりの衆議院には数人の地方議員が紐づけされる仕組みなどがわかりやすく描かれています。

☆映画
「決戦は日曜日」 坂下雄一郎監督

川島ゆみ→ 宮沢りえ 防衛大臣まで務めた父川島昌平の一人娘。父が脳梗塞で倒れたため、急遽、衆議議員に立候補することになる。
谷村勉 → 窪田正孝 川島昌平の秘書。7歳の私立小学校に通う娘の父親でもあり、川島ゆみ立候補により、彼女と選挙戦を戦い、選挙の仕組みを考えなおすことにもなります。

社会派のポリテイカルコメデイであり、小説も映画も随所に笑いあります。映画では主演のふたりの演技が素晴らしく、躍動感あって、特に宮沢りえさんの天真爛漫さは、嫌みではなく自然体で、いつのまにか応援したくなります。ドタバタの末、結局、選挙の投票率が低いことで、地盤を持つ議員が当選するという日本の仕組みが最後に明かされ、それは「選挙に行こう」というメッセージでもあるのかな、と思いました。映画も本も面白かったです!

https://note.com/gentosha_dc/n/n504a501bbb26

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