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わたしの本棚

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2021年2月の記事一覧

わたしの本棚92夜~「俳句いまむかし」

わたしの本棚92夜~「俳句いまむかし」

 2010年5月1日から始まった毎日新聞朝刊の季語刻々の連載。毎朝、社会面に今日の一句として、坪内先生が選んだ俳句と鑑賞エッセイが載ります。10年を超えた季語刻々のセレクト版です。この本では、同じ季語の俳句で、現代の俳人と昔の俳人を並べて鑑賞しており、今昔の対比も面白い本です。「船団」の先輩や句友たちの珠玉の俳句がたくさん載っています。

☆「俳句いまむかし」坪内稔典著 毎日新聞出版局 1800円

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わたしの本棚91夜~「鐘」33号

わたしの本棚91夜~「鐘」33号

 大阪女性文芸協会が年に1回発行している雑誌です。大阪女性文芸賞を発表しています。地方の小さな賞としては珍しく、今年で38回目を迎える賞ですが、選考委員の先生方をはじめ、いろんな方の善意と努力で、今年も無事に発行することができました。

☆「鐘」33号 大阪女性文芸協会・編集発行  820円(税込み)

 大阪女性文芸協会は任意団体として1983年に、女性の手で運営する文学賞を設け、女性の文学の向

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わたしの本棚90夜~「べニシアと正、人生の秋に」

わたしの本棚90夜~「べニシアと正、人生の秋に」

 貴族の流れをもつイギリス人で英語講師だったべニシアさんと写真家をめざしインド料理店を経営したいた正さんが、京都の北(一条寺界隈)で出会い、バツイチ同士ながら結婚し、大原に家を構えて暮らしました。その毎日の日々を写真たっぷりに綴ったものです。

☆べニシアと正、人生の秋に 梶山正、ベニシア・スタンリー・スミス著 風土社 1800円+税

 人生の秋に、お互いを許し、感謝する。里山生活。目が悪くなっ

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わたしの本棚89夜~「推し、燃ゆ」

わたしの本棚89夜~「推し、燃ゆ」

 画像は朝日新聞のasahi.comからダウンロードしました。今回、芥川賞受賞作であり、文藝春秋3月号を購入して、選評と一緒に読みました。

 面白かったです。アイドルとは違って、「推し」というもの。現代のオタク文化にも広がるような感じで、一気に読みました。わたし自身、「推し」がおらず、ここまで思える対象があるのは、ある面、うらやましく思いながら読み進めました。

☆「推し、燃ゆ」 宇佐見りん著 

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わたしの本棚88夜~「MIDNIGHT SWAN」ミッドナイトスワン

わたしの本棚88夜~「MIDNIGHT SWAN」ミッドナイトスワン

 映画と小説。映画を観たら、原作を読んでみたくなります。小説が映画化されると、映画も観たくなります。わたしのなかでは、映画と原作小説はリンクしています。ただ、全くの別物として鑑賞した方がいいとは思っています。どうしても小説を先に読むと映画に矛盾をみつけてしまいがちになるからです。この作品、去年、映画を観て、今年に入って、小説を読みました。

☆「ミッドナイトスワン」 内田英治著 文春文庫 700円

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わたしの本棚87夜~「痛くない死に方」

わたしの本棚87夜~「痛くない死に方」

 死ぬ日がわかっていたら、ある面、幸せだと思います。逆算して、毎日を使い、お金を使い、死ぬまでの段取り、死んでからの段取りができるからです。どうやって死ぬかがわかっていることも幸せです。できれば、家族に迷惑かけず、ぴんぴんころり、と死にたいです。病床で苦しんだり、たくさんの管に繋がれて死ぬのは、想像するだけで滅入ります。

 関西地方では、3月5日から、この本を原作にした高橋伴明監督「痛くない死に

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