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低山ながらスリルある三峰山(丹沢)トレッキング ♣マイナー登山道を往く♣(0002)

神奈川県丹沢山塊にある、低山ながら岩場・鎖場やヤセ尾根など連続し、なかなかの険路と評判の山「三峰山」への登山道です。
(本記事/ 文字数:約4300字、読了:約9分)

警告看板

<趣意>
あまりメジャーではない、マイナーな登山道。ちょっと気になってはいたもののなかなか行く機会のなかった山道を歩いてみました。


<概要>

「三峰山」(みつみねさん)
丹沢山塊の東端。宮ヶ瀬湖の南にあります。
山頂域が、ヤセ尾根、岩場・鎖場が断続する登山道になっています。
標高は約935m。 
神奈川県愛甲郡清川村が山頂の所在地です。最寄駅は小田急線「本厚木」駅

<三峰山の魅力>

(1)東京都心から近く、低山で岩場・鎖場を楽しめる
東京近郊でお住まいの方で岩場・鎖場の登山を楽しみたいなーという場合、代表的なところでいいますと、乾徳山、両神山や十二ヶ岳などが上げられるでしょうか。しかしいずれもちょっと遠出となります。その点、三峰山(丹沢)は新宿駅から小田急線1本で行くことができる比較的アクセス便利なロケーションです。
(2)不動尻はミツマタの花の名所
今回のルートですと下山する先の不動尻はミツマタの花の名所でもあります。例年ですと3月中旬から4月上旬が開花時期だそうで、3月下旬頃が最盛期のようです(その年により異なる)。不動尻の斜面一帯を覆い尽くすかのようなミツマタの花の群落はなかなか見応えがあります。まだヤマビルも活発に動き回る前の頃ですので比較的安心して見て回ることができると思われます。

 

<登山コース>

※歩行時間はすべて標準的タイムによる目安です。

煤ヶ谷

「煤ヶ谷」(すすがや)バス停から出発です。 バスは小田急線「本厚木」駅北口から神奈川中央交通バスが運行しています。

三峯山登山口

バス進行方向10mほど先に左に入る道を曲がります(道標あり)。 そのまますこし歩くと、三峰山方面への道標が立っています。

防護柵

三峰山方面へ進むと、その先に登山ポストがあります。 そのまま道を進み、畑の脇を抜けて森の中へ入っていきます。 しばらく歩くと、シカの防護柵と思われるゲートがありますので、開いて通ります。

忌避剤

この一帯は暖かくなるとヒルがでるので要注意です。 このときはヒルの忌避剤が用意されていました。 ご自身でも忌避剤を持参されることをおすすめいたします。

登山道

ゲートから先が本格的な山道であり、登りになっていきます。 森は針葉樹が中心で比較的暗い道になります。 この先もおおむね同様です。

分岐
警告看板

バス停から60分ほどで物見峠と巻き道の分岐になります。 神奈川県の警告看板が立っています。 今回は巻き道を登っていきます。

日の光
ギンリョウソウ

徐々に高度が上がっていくと、広葉樹も増えていき、次第に森に陽が差し込むようになります。
芽(?)を出したギンリョウソウでしょうか。

道崩壊

分岐から20分ほどで物見峠との合流地点に出ます。 合流地点までは一般的な山道です。 この先からが三峰山への尾根になります。 ところどころで尾根が崩壊しているので要注意です。

丹沢山塊

三峰山の道中はほとんど展望がありません。 途中ですこし開けている場所がありました。 方向的には蛭ヶ岳や丹沢山の方でしょうか。

長い階段

合流地点からしばらく登ると、丹沢名物(?)長-い階段がでてきます。 
さらに進むと、いよいよ岩場・鎖場が出てきます。

岩場1
岩場2
岩場3
岩場4

合流地点から先、山頂までのおよそ2km程度から、評判の岩場・鎖場が断続します。 岩場・鎖場を通過しつつ、山頂を目指します。

山頂

断続する岩場・鎖場を30分ほどで抜けて、三峰山の山頂にたどり着きます。 山頂は四方が期に囲まれており、展望はありません。 休憩用のテーブルがひとつありますが、山頂自体は広くはありません。

山頂道標

山頂から不動尻方面へ下っていきます。 この先も30分程度の、登りと同様の、岩場・鎖場が続きます。

三峰山?

しばらく下った先にすこし開けた場所がありました。 振り返るようなカタチですので、三峰山の山頂でしょうか。

徒渉点

山頂から30分ほど下ると沢が出てきますので、この沢を徒渉します。 渡る先に道標が立っています。 渡った先をそのまま沢沿いに下っていき、不動尻を目指します。 沢沿いの道もところどころ急傾斜の箇所や足場の良くない場所があります。

不動尻

山頂から60分ほどで不動尻に出ました。 簡易トイレも設置されています。 ここから先は舗装道路になります。

画像23

不動尻から先は、隧道を抜け、車両規制用の大型ゲートを通り越し、60分ほど歩くと広沢寺温泉へ到着します。

玉翠楼

広沢寺温泉「玉翠楼」は日帰り入浴可能の温泉です。 お食事もできて、猪鍋が有名だそうです。
広沢寺温泉から10分弱あるくと、「広沢寺温泉入口」バス停があります。 バス停の近くにはコンビニもあります。 またバス停からすこし離れていますが、徒歩20分ほどで七沢温泉もあり、日帰り入浴を受入れているところもあります。

[メインテーマ]

冒頭でも触れましたが、最大のポイントは、低山でも楽しめる意外にスリリングな岩場・鎖場でしょうか。
個人的な印象ですが、山頂の前後30分~40分程度の距離の一帯(前後約2km)が評判のスリリングな一帯になるでしょうか。 斜度のある場所もありますが、高度感はあまりなく、けして難しくはありませんが、小さなステップしかないところもありますので注意が必要です。
煤ヶ谷からも不動尻からも、どちらから登っても、岩場・鎖場の上り下りが同様に経験できます。

[行程表]

※標準タイムによる目安です(休憩時間なし)
「煤ヶ谷」バス停→ 物見峠分岐(60分)→ 合流地点(20分)→ 三峰山(100分)→ 不動尻(60分)→ 山神隧道(30分)→ 広沢寺温泉/玉翠楼(30分)→ 「広沢寺温泉入口」バス停(10分)
コースタイム: 約5時間10分

[アクセス]

●往路
小田急線「本厚木」駅から路線バス(神奈川中央交通バス)で「煤ヶ谷」バス停まで約35分。
●帰路
「広沢寺温泉入口」バス停から路線バスで「本厚木」駅(約30分)または「伊勢原」駅(約25分)。

[国土地理院地図]

「三峰山」

[コースマップ]

丹沢・大山安全登山マップ (山と渓谷社)

[登山コースの補足]

今回の(不動尻への)下りは意外に急坂があり続きます。
下りが苦手な人は苦労するかもしれませんので、ストックを上手に使った方がいいかもしれません。
夏期はヒル対策必要です。
●水場やトイレなど
登山道上に水場はありません。
登山道上にトイレはありません。不動尻と広沢寺温泉までの間に簡易トイレが設置されています。広沢寺温泉に公衆トイレがあります。

[難易度・危険箇所など]

岩場・鎖場がありますが、何度は高くはありません。鎖場の未経験者や初心者の方にはちょうどよいレベル感ではないでしょうか。とはいえ岩場・鎖場の経験者に同行してもらい、技術的な指導を得るようにした方がいいかと思われます。
岩場・鎖場以外にも沢沿いの道は滑りやすい箇所があります。
GW頃から秋口まではヤマビルが出る地域です。

<こんな方にオススメ>

(1)岩場・鎖場の登山の未経験者や初心者
(2)都心から近郊で岩場・鎖場の登山を楽しみたい
(3)登山がてら春先に花の名所を訪れたい


<補足情報>

[売店等]

登山道上に売店等はありません。
「煤ヶ谷」バス停からすこし本厚木駅方面へ県道64号線を戻るとドラッグストアと道の駅があります。
「広沢寺温泉入口」バス停の近くにコンビニエンスストアがあります。

[日帰り温泉など]

広沢寺温泉「玉翠楼」 ※公式サイト
湯花楽 厚木店 ※公式サイト 本厚木駅
東丹沢七沢温泉郷 (厚木市)

[お食事処]

小田急線「本厚木」駅には、厚木市のご当地B級グルメ「シロコロホルモン」のお店が複数あります。 (厚木観光なび/厚木市観光協会)

[名産品]

とん漬

[付近の山]

大山
相州アルプス(経ヶ岳・仏果山・高取山など)
塔ノ岳
鍋割山
弘法山 ※桜の名所

[お天気情報]

大山/山の天気 (tenki.jp)

[そのほかの補足]

日帰り温泉施設「湯花楽 厚木店」ほ本厚木駅から無料送迎バスあり。

 

<私的な雑感>

お手軽に登山道の中で岩場・鎖場を楽しみたいときに適した山ではないでしょうか。 とくに東京近郊にお住まいの方にとってはアクセスが便利です。

他にも東京近郊で岩場・鎖場のある山はいくつもありますが、たいていは数カ所程度で時間的にも10分程度の短い通過でしょうか。 三峰山は山頂を挟んで前後約2km、時間的には1時間程度の間に岩場・鎖場が断続します。 両神山周辺や西上州の岩稜へ行くには面倒なときはいいかもしれません。

足場の悪い登山道の通過や岩場・鎖場の経験が無い方が、初めて行くにはベターではないかと思われます。 ただ、経験者の方とご一緒に行かれる方が良いかと思われます。

 

<備考>

不動尻ミツマタ大群生地 (厚木観光なび)

<参考リンク>

丹沢大山国定公園 (神奈川県)
秦野ビジターセンター ※公式サイト
丹沢大山ナビ (神奈川県)
丹沢大山エリアの登山道通行情報 (神奈川県)
東丹沢方面の自然公園情報 (神奈川県)
神奈川中央交通バス ※公式サイト
山と高原地図 「29.丹沢」 (昭文社)
厚木警察署 ※公式サイト


<関連記事>

三峰山(丹沢)周辺に関する上町嵩広の関連記事です。一部、外部サイトの記事もあります。


<バックナンバー>
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(2021/06/15 上町嵩広  改訂:2024/01/04)