
浅間嶺と浅間尾根(奥多摩) △登山の魅力△(0020)
枝垂れ桜が花咲く春の頃が美しい。奥多摩のかつての生活道であった尾根歩きの登山コースです。
(本記事/ 文字数:約4000字 読了:約8分)
<概要>
山岳名: 浅間嶺 (せんげんれい)
所在地: 東京都檜原村
奥多摩の払沢の滝あたりから三頭山の方へ伸びる尾根上にあるピーク。標高は約903m。
山頂には桜が植えられている。また付近の集落には枝垂れ桜も多い。
「古甲州道」とも呼ばれており、周辺地域のかつての生活道であり、石仏などの遺物ものこる。

<浅間嶺の魅力>
(1)ハイキング感覚で歩ける登山道
「人里」バス停から浅間尾根(人里峠)まで登り上げればその先はあまり起伏はありません。なだらかな尾根歩きの道となりますので、体力面の心配はあまりないかと思います。
(2)奥多摩を代表する払沢ノ滝(ほっさわのたき)
払沢ノ滝は奥多摩を代表する滝のひとつです。「日本の滝百選」にも選出されており、東京都では唯一です。落差は60m程度。冬には凍結し氷瀑となります(どの程度、凍結するかはその年で異なります)。

<登山コース>
※標準的タイムによる目安(休憩含まず)。
浅間嶺と浅間尾根の中心的部分を歩くことができるルート。
「人里」(へんぼり)バス停→ 人里峠(50分)→ 浅間嶺(30分)→ 時坂峠(120分)→ 「払沢の滝入口」バス停(30分)→ 払沢の滝(バス停の間を往復約30分)
コースタイム/ 約4時間30分
標高差/ 約620m
[登山道の特徴]
「人里」バス停は木造の古風な造りが特徴的です。またその後背に大きな枝垂れ桜があり、春の満開の時期には写真撮影にも人が訪れるスポットです。
今回のルートは、人里峠から東進して払沢の滝までとなりますが、人里峠から西側にも数馬まで登山道は続いています。
バス停からいったん人里峠まで上がり尾根に出れば、その先はそれほど高低差のない歩きやすい道が続きます。
春の花の時期には、要所に桜、山吹、カタクリやニリンソウなどが咲いており、様々な花を楽しむことができます。
尾根道は北面が開けたところがあり、御岳山・大岳山・御前山などの山並みの展望が広がっています。
●水場やトイレなど
登山道上には水場はありません。
トイレは人里バス停そば、浅間嶺山頂、払沢ノ滝バス停そばにあります。
[難易度・危険箇所など]
とくに大きな難所や危険箇所はほとんどありません。
[アクセス]
JR五日市線「武蔵五日市」駅より西東京バス(数馬行き)を利用。
檜原都民の森・急行バスの場合、「人里」「払沢の滝入口」バス停には停車しません。
※檜原都民の森行きバスは冬季は運行していません。
《補足》
ホリデー快速あきかわ号は2023年春に廃止になりました(季節運行の臨時便はある)。新宿方面から「武蔵五日市」駅へアクセスするにはホリデー快速おくたま号で「拝島」駅まで行き、「武蔵五日市」駅行きの五日市線に乗換が必要です。
[国土地理院地図]
[コースマップ]
西東京バスがオススメするハイキングコース (西東京バス)
<こんな方にオススメ>
(1)豊富な花を楽しみながらハイキングを楽しみたい
(2)滝が好き
(3)体力面で心配の少ないトレッキングに行きたい

<補足情報>
[売店等]
武蔵五日市駅改札前にコンビニあり。
駅前ロータリー近くにコンビニあり。
「払沢の滝入口」バス停そばに豆腐屋『檜原とうふ ちとせ屋』あり(おからドーナツなど販売)
[日帰り温泉など]
数馬の湯 (※公式サイト)
蛇ノ湯たから荘 (※公式サイト)
瀬音の湯 (※公式サイト)
[お食事処]
四季の里 (NPO法人 フジの森) 洋食/払沢の滝入口バス停
Villa delpino イタリアン/払沢の滝入口バス停
数馬の湯(館内に食堂あり)
瀬音の湯(館内に食堂あり)
黒茶屋 (※公式サイト) 和食/武蔵五日市駅
寿庵忠左衛門 (※公式サイト) 蕎麦/武蔵五日市駅
[山小屋などの宿泊施設]
山のふるさと村 (※公式サイト)
瀬音の湯
兜家 (※公式サイト)
三頭山荘 (※公式サイト)
蛇ノ湯たから荘
[名産品]
ジャガイモ
ゆず
こんにゃく
のらぼう菜
わさび
秋川牛
[付近の山]
三頭山
御前山
御岳山・大岳山
[お天気情報]
三頭山 (山の天気/tenki.jp)
[そのほかの補足]
「蛇ノ湯たから荘」は、”かぶと造り“と呼ばれる大ぶりな茅葺屋根の日本古来の家屋の形態のひとつです。 また「日本秘湯を守る会」の会員です。

<私的な雑感>
浅間嶺と浅間尾根は、春先のハイキングや軽トレッキングとしてはとても気持ちの良い楽しめるポイントが多いコースだなーという印象です。
まず花の見どころが多いと感じます。個人的な一番のおススメは枝垂桜です。人里バス停の枝垂桜には初めて観たときは嘆息しました。今回の行程で言いますと終盤の集落のなかにところどころ植栽されている枝垂桜も見事だと思います。そのほかの花も前述のとおりですが、盛期のタイミングが若干異なるのですべてを同時に見ることはなかなか難しいようです。
このルートの途中にあるお蕎麦屋さんがお気に入りの一軒でした。春には山菜の天ぷらがいただけるところが楽しみでした。また刺身こんにゃくはまるで葛餅やわらび餅のような優しいトロンとした食感が特長で(甘くはないです)、初めて食したときは驚きました。いまは廃業されてしまったそうで、たいへん残念です。
日帰り温泉施設の「瀬音の湯」は比較的新しいキレイな入浴施設であり、湯上りの後にはちょっとラグジュアリーな寝椅子があるのでゆったりとした気分で長居したくなります。地場の野菜などの直売所も併設されているので買い物を楽しむこともできるところも嬉しいです。
浅間嶺と浅間尾根は、花を観て、奥多摩の眺望を楽しみ、滝でマイナスイオンを浴びて、様々な自然を堪能できる悠々としたハイキングコースではないかと思われます。
<備考>
●「古甲州道」
おもに戦国時代以前に利用されていた、現在の東京都府中市から山梨県甲府市を結んでいた古道です。 なお現代においては、整備されたいまの国道20号線が「甲州街道」となっています。 また20号線が整備される以前の甲州街道は「旧甲州街道」「甲州古道」(近世における「甲州街道」)と呼ばれています。 ※呼称は扱う人によって若干バラつきがあります。
●「治助いも」
奥多摩地域で昔から栽培されてきた古い品種のジャガイモです。 奥多摩でブランド化が取り組まれています。 (奥多摩町)
●「払沢ノ滝」
「日本の滝百選」 (檜原村)
<参考リンク>
西東京バス・時刻表 (西東京バス)
東京都檜原都民の森 ※公式サイト
あきる野市観光協会 ※公式サイト
檜原村観光協会 ※公式サイト
大多摩観光連盟 ※公式サイト
奥多摩ビジターセンター ※公式サイト 登山道情報あり。
人里バス停のしだれ桜 (Facebook) 枝垂れ桜の開花状況を速報しているページ
五日市警察署 ※公式サイト
<関連記事>
浅間嶺・浅間尾根周辺の登山に関する上町嵩広の関連記事です。一部、外部サイトの記事もあります。
<バックナンバー>
バックナンバーはnote内マガジン「登山の魅力」にまとめております。
[奥多摩]
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0028/御岳山
[丹沢・箱根]
0005/大山 0030/塔ノ岳 0035/金時山
[秩父・奥武蔵]
0023/金峰山 0026/棒ノ折山 0032大菩薩嶺
[八ヶ岳]
0001/編笠山 0007/飯盛山 0014/天狗岳 0017/北八ヶ岳周遊(冬)
[北アルプス]
0012/燕岳~常念岳 0024/涸沢カール 0033/立山
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(7) カバー写真と、今回ご紹介した山とは、関係はありません。
(8) 情報は掲載日時点の内容です。
(9) 登山道等の状況については、適宜、現地の観光協会、ビジターセンターや山小屋などの各関係機関にあらかじめご確認くださいますようお願いいたします。
(10) 自治体により登山届や各種装備の義務化などの条件がありますのでご留意ください。詳細は各自治体や警察等にご確認くださいますようお願いいたします。
(11) 今般の新型感染症の影響で各種施設等の利用については制限などが行われている可能性があります。ご利用の際には詳細について事前に各種施設等へご確認などをお願いいたします。
(2022/03/01 上町嵩広 改訂:2024/01/02)