鳴虫山 △山の魅力△(0031)
春にはヤシオツツジが見事です。日光駅から歩いて行ける駅近の山。
<山岳名>
鳴虫山
(なきむしやま)
所在地: 栃木県日光市
<概要>
標高は約1104m。
名前の由来は「この山に雲がかかると雨が降るから」とも(諸説あり)。
日光駅から徒歩でアクセス可能。
<アクセス>
JR日光線「日光」駅または東武日光線「東武日光」駅から徒歩20分程度で登山口。
<国土地理院地図>
<鳴虫山の魅力>
第1に、春のヤシオツツジが美しいところです。
山中のところどころにヤシオツツジがあり、春にはピンク色の花景色を楽しむことができます。花の見頃はもちろんその年により異なりますが、例年ですと4月中旬から下旬くらいのゴールデンウィーク前の頃がよいようです。またツツジだけでなく足元ではカタクリの花を目にすることもできます。
第2に、駅から歩いて行ける利便性です。
日光駅(東武日光駅も)からひょいっと歩いて登山口にたどりつけます。
男体山や戦場ヶ原に行こうとすると駅からバスに1時間ほど乗り、いろは坂を越える必要があります。そのため日光駅周辺に宿を取ると、ちょっと行くには不便。その点、鳴虫山ならば市街の宿からも気軽に足を運べます。
<登山コース>
※標準的タイムによる目安(休憩含まず)
JR日光駅(または東武日光駅)からスタートし市街地の裏にある登山口から登り初めて鳴虫山を経て憾満ヶ淵(含満ヶ淵とも)へ下りる周遊コース。
東武日光駅⇒ 鳴虫山登山口(20分)⇒ 神ノ主山(50分)⇒ 鳴虫山・山頂(80分)⇒ 合峰/松立山(15分)⇒ 独標(30分)⇒ 日光宇都宮道路高架/やしおの湯分岐(40分)⇒ 憾満ヶ淵(10分)⇒ 日光総合会館(15分)⇒ 神橋(5分)⇒ 東武日光駅(20分)
コースタイム/ 5時間程度
標高差/ 550m程度
※”やしおの湯”へは分岐から徒歩約30分です。
<登山道の特徴>
東武日光駅とJR日光駅の間は徒歩3分程度です。
国道20号線を消防署のあたりで左手の住宅街の裏手に入ると橋があり、そのたもとに”鳴虫山登山口”を示す標識があります。
山道に入ると次第に木の根の張り出しが多い道になります。
要所に道標がありますのであまり迷うことはないと思います。
神ノ主山(こうのすやま)から先、鳴虫山の山頂前後30分程度のところでヤシオツツジがよく見ることができます。
鳴虫山山頂からは女峰山や男体山の姿が見えますが、眺望はそれほどではありません(垣間見えるといった程度)。
合峰(松立山)に不明瞭ながら分岐がありますが、憾満ヶ淵へのルートを下りて行った方が安全かと思われます。
合峰から先は何度か小さな登り返しもあります。
左手に変電所の施設が見えてくると日光宇都宮道路の高架に着きます。右手(東)へ進めば憾満ヶ淵、左手(西)へ進めば“やしおの湯”です。
憾満ヶ淵は流れが強く清らかな渓流です。
日光東照宮周辺を“日光グリーンスローモビリティ”という観光用ミニバスが運行しており、憾満ヶ淵の近くで乗車することができます。
憾満ヶ淵から東武日光駅までは徒歩40分程度ですが、路線バスに乗る場合は“日光総合会館”そばにバス停があります。
憾満ヶ淵のあたりはヤマビルが出没するようなので、季節に応じて対策を講じた方がよいようです。
●水場およびトイレなど
山中に水場やトイレはありません。憾満ヶ淵の先の公園にトイレがあります。
<難易度・危険個所など>
とくに大きな難所や危険個所などはほとんどありません。
木の根が張り出した道が多いので、足を引っかけて転倒したり、雨中や雨後に濡れた木の根で滑って転倒することに注意が必要と思われます。
●山のグレーディング
体力度/2 (1→10 低→高)
難易度/A (A→E 低→高)
<売店等>
登山道中に売店などはありません。
駅前や駅舎に売店があります。駅から国道119号線を西へすこし進むとコンビニがあります。
<日帰り温泉など>
やしおの湯 ※公式サイト
日光ステーションホテル ※公式サイト
日帰り温泉 ほの香 ※公式サイト
<お食事処>
湯葉料理が有名です。 (みちくさガイド/星野リゾート)
天然氷のカキ氷が有名です。 (じゃらん)
“やしおの湯”には食堂があります。
<山小屋などの宿泊施設>
日光駅周辺にホテルや旅館が多数あります。 (日光旅ナビ/日光市観光協会)
<付近の山>
男体山
高山(奥日光)
戦場ヶ原
<名産品>
湯葉
さかえや“揚げゆば饅頭” (日光旅ナビ)
金谷ホテルのパン ※公式サイト
日光人形焼 ※公式サイト “見ざる聞かざる言わざる”をかたどった人形焼き
<そのほかの補足>
駅周辺の売店や飲食店は比較的早く営業を終了してしまい、夜に営業しているお店は少ないです(おおむね18時頃までに終了します)。
●アクセス補足
東武線「浅草」駅から特急スペーシアを利用して「東武日光」駅まで直通で約2時間。スペーシアにはコンパートメントルーム(個室/4人用)があります。
JR「新宿」駅から特急スペーシア日光を利用して「東武日光」駅まで直通で約2時間。本数は非常に少ないです。
東京駅から東武日光駅まで高速バスが運行されています(東北急行バス)が、2022年4月以降は運休しているようです(再開は不明)。
※待ち時間、乗換時間は含みません。
※特急は別途、特急料金が必要です。
<お天気情報>
男体山 (tenki.jp)
<私的な雑感>
山全体が樹林帯のなかの登り応えのあるハイキングという印象でしょうか。
ハイシーズンとしてはヤシオツツジとカタクリの花を見ることができる春(4月)になると思います。しかし真夏と冬を除けば、森の中の山歩きを楽しめると思います。
山の後に温泉(やしおの湯)にすぐに立ち寄るのもいいですが、できればぜひ憾満ヶ淵にも立ち寄ってみることをお勧めいたします。巨石・巨岩の間をけっこう速い清流が奔っており、なかなか見ごたえがあると思います。
山頂では日光連山を見ることができるのですが、木立の合間に垣間見えるといった程度で大きく開けた展望があるわけではありません。
純粋に山行時間だけですと4時間強といったところですので、時間的余裕があれば、東照宮などを観光することも十分可能と思われます。
日光観光の一環として、寺院巡りだけでは物足りない方はアクティビティに組み込むハイキングコースとすれば、アクセス等の便宜もよく最適な候補のひとつといえるのではないでしょうか。
<備考>
●お得な切符
「まるごと日光 東武フリーパス」 (東武鉄道)
<参考リンク>
日光旅ナビ (日光市観光協会)
鳴虫山ハイキングコースマップ (日光旅ナビ)
東武鉄道 ※公式サイト
東武バス ※公式サイト
日光グリーンスローモビリティ (日光市)
東北急行バス ※公式サイト
栃木県立日光自然博物館 ※公式サイト
※博物館企画のイベントが各種開催されています。
山と高原地図「13. 日光 白根山・男体山」 (昭文社)
日光警察署
栃木県 山のグレーディング (栃木県)
<バックナンバー>
バックナンバーはnote内マガジン「山の魅力」にまとめております。
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<ご留意点>
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(6) 不定期更新です。 毎月一度を目安に更新を予定しております。
(7) カバー写真と、今回ご紹介した山とは、関係はありません。
(8) 情報は掲載日時点の内容です。
(9) 登山道等の状況については、適宜、現地の観光協会、ビジターセンターや山小屋などの各関係機関にあらかじめご確認くださいますようお願いいたします。
(10) 自治体により登山届や各種装備の義務化などの条件がありますのでご留意ください。詳細は各自治体や警察等にご確認くださいますようお願いいたします。
(11) 今般の新型感染症の影響で各種施設等の利用については制限などが行われている可能性があります。ご利用の際には詳細について事前に各種施設等へご確認などをお願いいたします。
(2023/03/22 上町嵩広)