なぜあなたの部下が育たないのか?ポイント3選
こんにちは!
人材育成って一筋縄ではいきませんよねえ…
職場内でも教育指導はおろか、コミュニケーションの部分から成り立っていないんじゃないかという人が多いと感じます。
会社によっては教育のカリキュラムがあったり、指導要領的なものがあったりするのかなと思います。しかし誰しもがそのマニュアルに甘えて、「作業」をこなすだけで、教育は行えていないんですよね。
やらなければいけないことを伝えたり、スキルを上達させたり、何かあったら注意したり…一般的にこのようなことが教育指導と捉えられがちです。
しかし、それだけでは十分と言えず、実際の現場では伝えているように見えて実は何も伝わっていないというようなことが起こっています。
ほとんどの人が言えばわかるし、言って分からなければもっと怒る、何度言ってもわからん奴はダメな奴。みたいな考えで教育指導を行っていますが、だれも伝え方や言葉選びやタイミングについて考えようとしません。
教育を行おうとすると、伝え方や喋り方や傾聴力、言葉選びやタイミングの取り方、行動経済学などの心理的な部分やコーチングとフィードバック、都度適切な言葉を投げかけることができるように、あらゆる知識の収集と、最適な言葉を瞬時に考えるための思考力までも必要になってきますし、私はそれらを勉強しています。
飲食業界においてだけなのかわかりませんが、教育についてまともに考えている人って本当に少ないと思います。
そして今回はなぜそのようにしていろんなスキルを使わなければならないほど教育が難しくなっているのか?その理由を三つにまとめてみました。以下の通りです。
①だれも教え方を勉強していないし教わっていない
②人それぞれ育ってきた環境や性格、考え方が違う
③世代間の価値観のギャップ
それでは、詳しく見ていきましょう!
①だれも教え方を勉強していないし教わっていない
一つ目は誰も教え方を勉強していないし教わっていないです。
そう。仕事のスキルやハウツー、マナー的なことは教わりますが、教え方を教わる機会ってほとんどないのです。
大多数の人が勉強もせず、自分が受けた教育の仕方が最適解だと思っていないにもかかわらず、その教育方法を自分の後輩にも使って失敗します。
先に教育を行うためには、コーチング以外にも基本のコミュニケーションスキル含めたくさんのスキルが必要だとお話ししました。
教育とは、ほいそれとできるほど簡単ではないのです。
また、大多数の人が勉強をしないため、勉強しないことが普通になってしまっているのと、ほとんどの人がわからないをわからないにしたまま放置し、悩むだけ悩んで改善を行おうとしないため、教育ができないという課題は永遠に解決することができません。
そんな中もしもうまく部下が成長したのであれば、部下がよほど優秀だったかたまたま条件が揃っていたのかもしれません。
フィードバックのまとめでもお話ししましたが、そもそも昭和の時代は長期雇用と年功序列、タイトな職場関係という条件が揃っていたことで教育を行う必要があまりなく、人が育つ環境が自然と揃っていました。なので、だれも勉強しないのは必然なのかもしれません。
②人それぞれ育ってきた環境や性格、考え方が違う
これ非常に皆さんが誤解している部分だと思うのですが、同じ日本人だからといっても考え方は全く違います。
日本人と中国人で文化が違い、国民の性格もまるっと違うように、国内でも人の性格は結構異なります。同じくらい違うと思っていた方がちょうどいいと僕は思います。それくらい期待しない方がいいです。
それに、多くの人が常識として持っている固定観念というか考え方は、思いの外、周囲の人と共有も共感もできません。
常識とは自分や限られた少数のコミュニティーだけのものであることも多く、「自分がこうだからこうだろう」とか「常識的に考えるとこうだから」的な部分はほとんど通用しません。
生まれ育った環境によって、性格も扱う言語も違いますし、何を重要視しているかの考えや根幹の価値観も違います。
ゴキブリを見たことがない北海道の人はゴキブリ怖がらないというくらい、人の価値観は違うのです。
相手の性格や考え方に配慮しないまま自分の考えを伝えても何も解決しません。
中国人はマナーとして食事をわざと残しますが、それを日本人が注意したところで中国の文化圏では良いこととされているので、中国人から見たら日本人は良い行いを否定してくる訳がわからん奴と思われてしまいます。
③世代間の価値観のギャップ
そしてこのポイントが一番大きいかなと思います。
時代の変化が非常に早いからなのか、最近は世代間のギャップを非常に強く感じます。昭和から平成、令和と移り変わり、その時代ごとに重要視される考え方も違い、その分価値観も変わってきます。
うちの職場でもいろんな世代のスタッフが働いているため、価値観のギャップによるトラブルがそこそこ起こります。
昭和の時代はパワハラもオッケーでしたし、厳しい環境のもとで育ってきたことで、昭和の人たちはその環境を良かれと思っています。
そしてその環境を今の若い子にも作ってあげようとしていますが、若い子からすると迷惑以外の何物でもない。無理にその環境に飛び込ませると、心を病んでしまう子も出てきてしまいます。
このように価値観が違うと、もうどちらかが譲るしかありません。もしくは互いに価値観を理解しようと務めるか…
本来ならば年長者が譲って理解しようと務めるべきだと思いますが、なかなかうまくはいかないみたいです。
この価値観のギャップを意識することなしに、育てるということはできません。
知らず識らず、あなたは部下を貶めている
多くの人が教えることや育てることに対して安易に考えすぎており、また、育たないことを相手のせいにしがちです。
部下のせいにしていると、そのうち部下の性格が悪いと感じ始めます。そうなると「この人は性格が悪いからこんなにダメなんだ」と変につなげ始め、「あなたは性格が悪い」とレッテルを貼り始めます。
そうなると部下は洗脳され、自分は性格が悪いんだと思い込み、無意識の部分で性格が悪い自分を演じようと自ら失敗を繰り返してしまいます。
そうなるとその部下の本当の心や価値観、考えが見えなくなってしまいます。
自分と周囲がそのような状態になってしまうと、そこから這い上がるのは至難の技です。というかほぼ不可能に近く、そのまま落ちていくだけです。
もしかしたらこのようにして、あなたは知らず識らずに部下を貶めて、加害者になっているかもしれません。
誰もが自覚していませんが、部下の人生を左右する力を、すべての上司は持っています。
今一度、自分がちゃんと教育指導を行えているか?を振り返り、日々学んでいきましょう。
それでは、今回はこの辺で!