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七十二候の野良仕事 ~朔風払葉~

少し前のことだけど、12月1日までの5日間は二十四節気の小雪の次候(二番目)である朔風払葉(さくふうはをはらう)という季節でした。
朔とは北を意味しており、冷たい北風が木から葉を落とすころ。

私の家の居間から見える庭には3本の紅葉が植えられていて、
うち2本は11月中に葉を落としてしまうのですが、一番葉を茂らせて元気に育ってくれている3本目は一番紅葉が遅くて、一番綺麗な色づきを見せてくれます。
毎年、この3本目の紅葉が楽しみで今年も一番遅く色づきましたが、その季節がちょうどこの「朔風払葉」と重なります。

この季節は私の住む地域でも風が強まり、庭にも風にのって飛んできた落ち葉が降り積もります。

燃えるごみの日に出されているあいつを救い出したい

この季節になるとよく目にする光景が、燃えるごみの日に袋いっぱいに詰め込まれ、ごみとして出されている落ち葉。
そんな子を見かけると喉から手が出るほどほしくなる私ですが、有料のごみ袋だし、人目も気になるしでそういう時は泣く泣く通り過ぎます。

ならばせめて自分の家の周りだけでもと、落ち葉降り積もるこの季節は、ご近所さんにかき集められてしまう前!夫に捨てられてしまう前に!とごみ焼却炉に行く子を減らすべくせっせと落葉かきをしています。


集めた落ち葉、この感じもすごく好き

落ち葉の使い道

私が何で落ち葉を一生懸命集めているのか、自然農法(※定義付が難しいので、化学肥料や農薬に頼らない農法全般をまるっとイメージして話します)をされている方ならご存知と思うのですが、落ち葉は土づくりにとって必要な存在。
この時期に集めた落ち葉を土に敷き詰め寝かせておくと、土の中の虫や微生物たちがこれを分解し土へ戻してくれます。
森の土がふかふかなように、畑でもふかふかな土を作るために、自然界をまねてせっせと落ち葉を集めては敷き、集めては敷きを繰り返します。

ただ、私の住む家は住宅街で隣家との間隔が狭いので、せっかく敷いた落ち葉が飛ばないよう工夫は必要…
なので、今育てている野菜の寒さ対策を兼ねて葉の下に敷き詰めたり、何も植えていない箇所はシートもの(新聞紙や不織布)を敷いて飛散防止をします。
※シートで被う場合は石で押さえます。


飛ばないように、野菜の間に敷き詰める

こうして次の春を待ちます。

自然から生まれた葉っぱ。それを人の手で燃やして二酸化炭素にしてしまうのは何だか違うなぁというか、何となくきもちがわるくて。
森のなかは何もしなくてもあんなにふわふわの土なのに、家庭菜園だからといって、買わないといけない化学肥料に頼るのも何だかきもちがわるくて。
だから私はぐるぐるまわる暮らしがしたい。

私の身の回りを小さな一つの自然の世界にするために、暇さえあれば落ち葉かきをする、そんな季節の野良仕事でした。

今日はここまで。
読んでくださりありがとうございました。


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