読者・鑑賞者に向けて、キャラが意味不明な嘘をつく
◆概要
【読者・鑑賞者に向けて、キャラが意味不明な嘘をつく】は「メタフィクション、第四の壁」に関するアイデア。
◆事例研究
◇事例:アニメ「苺ましまろ」(第1話)
▶1
本作の主人公の1人・伸恵(原作マンガでは「16歳の女子高生」という設定だが、アニメでは「20歳の短大生」に変更されている)。
・Step1:本作第1話は、伸恵が鑑賞者に向けて主要キャラを紹介する場面から始まる。すなわち「私は伊藤伸恵。20歳の短大生です」「これは妹の千佳。12歳の小学6年生。えー、特にこれといって特徴がないのが特徴です」といった具合だ。
・Step2:しばらくして、画面にペットの犬が映る。そして伸恵の声「さたけです。見ての通り……虎です」。
▶2
どう見ても犬なのに「虎です」って……
・Point1:嗚呼、このくだらない嘘!小学生でももっとましな嘘をつくだろう
・Point2:また、この嘘にはまったく意味がない。「じつは物語の重大な伏線だった」なんてことはないし、「犬に見えてじつは本当に虎でして……」なんてオチがあるわけでもない
・Point3:さらに、作中で嘘が訂正されることはない。嘘のつきっぱなしで終わる
まさに、無駄な嘘!無意味な嘘!
この意味不明さがシュールで最高である。
▶3
ちなみに……伸恵はかなりぶっ飛んだキャラ。
特にマンガ版ではこの傾向が顕著で、未成年のくせにタバコを吸う(食後の一服だと言って教室でも吸う!教師の前でも吸う!)、毎晩のように大量のビールを飲んでは酔っ払う、おそらくは偽造であろう運転免許証を所持しており、平然とバイクや車を運転するといった具合だ。
つまり、【この「読者・鑑賞者に向けて意味不明な嘘をつく」というシーン = 伸恵の破天荒な性格を鑑賞者に紹介するために描かれたシーン】と考えられる。
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