「ダメ男」と「尽くす女」と「常識人」の物語!!|【第8話:秋の学校生活(3)】「ガヴリールドロップアウト」を三幕構成で分析する
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分析対象
三幕構成
ポイント①
本話のストーリーをざっくり整理すると……
・第1幕:金欠ゆえに腹ペコのガヴリール。彼女は食べ物を求めて調理部へ → 調理準備室。やたらとハイテンションでフレンドリーな部員(田中、上野)がガヴリールを歓迎した
・第2幕前半:ガヴリールは、ガッツリお腹に溜まるメニューをリクエスト
・第2幕後半(1):田中と上野が元気に調理する → 間もなく、他人丼とイチゴパフェが完成 → ガヴリールが食いまくる。さらにおかわりも希望する
・第2幕後半(2):食後、ガヴリールは大満足「天国送りを約束しよう!」
・第3幕:ガヴリールは調理部に入部する
ポイント②
<1>
本話の登場人物はガヴリール、委員長、田中、上野の4人。
各人の人となりを確認しておきましょう。
まずは、ガヴリール。
彼女は、
・調理部を訪問して「鍋や丼が食べたい」とリクエストする
・調理してくれた田中と上野の言葉を無視して食いまくる
・さらにおかわりも希望する
……などなど、やりたい放題。とんでもないわがまま野郎です。
しかし、その欲望に素直な姿はかわいらしいともいえる。
つまりは【人びとの庇護欲・餌づけしたい欲をくすぐるキャラ】ですね。
<2>
続いて、田中と上野。
2人はやたらとノリがよく、ガヴリールのわがままを喜んで受け入れます。おそらくは「天真さん(ガヴの苗字)って欲望に素直でかわいいな♥」「天真さんはガツガツ食べてくれるから嬉しいな♥」なんて感じているのでしょう。
また、調理スキルも高い様子。
要するに、【誰かを庇護したい・餌づけしたいという欲望を持ち、またそのためのスキルも持っているキャラ】ですね。
<3>
最後に、委員長。
彼女は常識人キャラであり、【やりたい放題のガヴリール】と【ガヴリールのわがままに嬉々として対応する田中及び上野】にツッコみを入れまくります。
<4>
以上を踏まえて考えると、本話は……
・Step 1:ある日、【人びとの庇護欲・餌づけしたい欲をくすぐるキャラ】と【誰かを庇護したい・餌づけしたいという欲望を持ち、またそのためのスキルも持っているキャラ】が出会う
・Step 2:前者はわがままにふるまい、後者は嬉々として世話をする。両者は相性抜群であり、活き活きとする
・Step 3:だが……それを見ていた【常識人キャラ】がツッコみを入れた「あんたはわがまますぎる!」「あんたは従順すぎる!」「あんたら、おかしいよ!」
これ、【「グータラなダメ男」と「まめまめしく尽くす女」と「2人にツッコみを入れる常識人」の物語】と言えるでしょう。
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(担当:三葉)